中学のとき、クラスメイトが授業中に机の下にゲーム機を隠してピコピコやっていたら(さすがにピコピコ音は出していないが)、先生にばれてゲーム機を没収された。
これはチャンスだとぼくは思った。
翌週のその先生の授業中、教科書を机の下に隠し、人目を憚るようにしながら読んだ。
案の定、先生はそっとぼくの背後にまわりこみ「何やってんの!」とぼくの腕をつかんだ。
そしてひっぱりだされる教科書。
ぼくとしては笑いが生まれると思っていたのだが、先生は「まぎらわしいことしなさんな!」と激昂した。
ゲームをやっていたやつよりずっと激しいトーンで怒られた。
公的な怒り(授業中にゲームをしたこと)より、私的な怒り(私に恥をかかせたこと)のほうがずっと根深いものだとぼくが学んだのは、そのときのことだ。
あれはいい勉強になった。
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