五歳の娘と、その友だちが公園で「なんかおもしろいことしてー」と言ってきたので、
「じゃあ宝さがししよっか」と云った。
よくわからないままに「するー!」と手を挙げる五歳児たち。
「じゃあちょっと待ってて」と鉄棒をさせて、その間にぼくは宝を隠す準備をする。
ノートの切れ端を使い、メモを書く。
「いちばんたかいてつぼうのしたをみろ」と。
で、鉄棒の下に「すべりだいのうえをみろ」と書いた紙をわかりやすく埋めておく。
すべりだいの上には「せがさをんだか ヒント:はんたいからよむこと」を挟んでおく。
十回ぐらいあちこちいったりきたりさせてあげくに、最後には「おっちゃんのぼうしのなか」として、ぼくの帽子の中にどんぐりを入れておいた。
これを五歳児にやらせたところ、とても楽しんでいた。
ずいぶんやさしいヒントにしたつもりだが、それでもときどき迷いながらああでもないこうでもないと宝をさがしていた。
「たのしかったー!」「またやってー!」
とお褒めの言葉をいただき、その後、何度も宝さがしをした。
これはぼくが子どものときに好きだった遊びだ。
『きょうはなんのひ?』という絵本で知って、真似をして何度もやった。
『きょうはなんのひ?』は、女の子が家中に散りばめた謎を、おかあさんが解いてゆくという話だ。
絵本にはめずらしく子どもよりおかあさんの登場シーンが多いが、それでもこの絵本の主人公はあまり姿を見せない"まみこ"だ。姿は現さなくても、いたずら好きで頭のいいチャーミングな女の子を感じることができる。
この本を読んだ子は、ぜったいに"まみこ"のように宝さがし(の仕掛人)がやりたくなる。
少し前に脱出ゲームなるものが流行っていたが、それを思いついた人もきっとこの絵本を読んだことのある人なんじゃないかな。
何度か宝さがしゲームをやっているうちに、娘たちも仕掛人をやりたくなった。
「今度は子どもたちがつくるからおっちゃんがやって!」
そう。
そう。
この遊びは、仕掛ける側のほうが楽しいのだ。
しかし五歳児たちがつくった宝さがしはめちゃくちゃだった。
「いしのした」とか(どの石やねん!)
「すなのなか」とか(どこやねん!)
「したをみろ(うそ)」とか(じゃあどこ見たらええねん!)。
とても解けない。
そもそも五歳児の書いた文字が読めないし。
しかし五歳児たちがつくった宝さがしはめちゃくちゃだった。
「いしのした」とか(どの石やねん!)
「すなのなか」とか(どこやねん!)
「したをみろ(うそ)」とか(じゃあどこ見たらええねん!)。
とても解けない。
そもそも五歳児の書いた文字が読めないし。