2018年7月15日日曜日
椅子取りゲームで泣いた話
四歳の娘が云う。
「あのな、今日保育園でゲームして勝てなくて泣いちゃってん。椅子取りゲームをしてんけどな、ずっと勝っててんけど最後にRくんがズルしてん。ほんまは先に椅子を触ったらあかんけど、先に椅子を持っててん。それで負けたから泣いちゃってん。でも先生はRくんがズルしたこと知ってて、(娘)にがんばったねって言ってくれてん」
これ自体は大した出来事じゃないんだけど、
起こったことを他者にわかるように順を追って説明したり、
伝わりにくい点を補足したり、
自分の感情がどう動いたかを表現したり、
うまく伝えることができるようになったんだなあとしみじみと感心した。
ツイートまとめ 2018年05月
大人の証
四歳の娘がおともだちに「あんまり腕に毛が生えてないね。わたしはこんなに生えてて大人みたいでしょ」と自分の腕を見せながら自慢していた。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月4日
鼻毛
白髪が増えてきたのだが、鼻毛もときどき白いのが混ざるようになってきた。髪に白いのが混ざるのは見苦しいが、白い鼻毛は見苦しくない。出ていても目立たないから。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月5日
L⇔R
Fの音は「ファ/フィ/フュ/フェ/フォ」、Vは「ヴ」をあてているんだから、そろそろLとRも違うカナで表記したほうがいいと思う。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月10日
たとえばRは「ルァ/ルィ/ルュ/ルェ/ルォ」とするとかさ。
「ルァルフロールェン」「ルォレックス」と書いたら、もうLかRか迷わずに済む。
ひとりごと
大げさにため息ついたり、「あーしまったなー」とか周囲に聞こえるようにひとりごと言うやつにかぎって、こっちが仕方なく「どうしたんですか?」って聞いてやったら— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月11日
「いや、なんでもない」って一度は話したくなさそうなフリすんの、この上なくめんどくさくないですか。
なぞなぞ
Q.— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月13日
次の数字に関係する食べ物は?
17
31
551
A.
アイスクリーム(アイスキャンディー)
世間
公園で女子小学生が携帯電話持ってあたふたしてたので「どうしたの? あー、着信あったのにとれなかったのか。貸してみ。ほらこうするとかけなおせるよ」と教えてあげた。これはぼくが娘を連れていたからできたことで、そうじゃなかったらおっさんが女子小学生に親切にしてやるなんて世間が許さない。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月14日
脱衣
— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月16日
褒められて
褒められても伸びないけど褒めてくれ。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月20日
いろいろあって
四歳児たちといっしょに遊んでいたところ、いろいろあって— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月21日
「魔女の家から魚を盗もうとするティラノサウルスを魔法で牢屋に閉じこめておいたところティラノサウルスが魔女の引越しのどさくさにまぎれて逃げる途中に壊した靴屋の店員」
の役をやる羽目になった。
誤解
誤解を招く言い方をしたのは悪いし、招かれたからってほいほいついていく誤解も悪い。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月22日
LEGO
ゴジラが建物を踏みつぶしたときも、裸足でレゴ踏んだときと同じくらい痛いんだろうな。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月23日
見える化
四歳児に「次の土曜日にプールに行って、日曜日が山登りの日で、来週の土曜日と日曜日はおばあちゃんの家にお泊りだよ」と言ってもぜんぜん伝わらなかったが、カレンダーに予定を書きこんで見せたらすぐに納得してくれた。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月24日
カレンダーって便利!
思慮
日大アメフトの問題で、日体大とかラグビー協会とか関係ないとこにまで怒りの電話がかかってきてるらしい。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月24日
「せめてそれぐらい確認してから電話しろよ」と思うけれど、それを確認するぐらいの思慮のある人ならそもそも部外者のくせに電話したりしないよな。
四親等
遺伝病の発現率を抑えるために三親等以内の親族とは結婚できないが、いとこ(四親等)とは結婚できる。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月26日
だが親同士が一卵性双生児のいとこと結婚して子を産んだら、遺伝病の発現率は実質きょうだい(二親等)並になるんじゃなかろうか。
減少の理由
"秋田県は、医師と連携して、中学3年生を対象に踏み込んだ授業を14年間続けた結果、10代の若者の中絶の件数は324件から71件に減りました。"— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月26日
秋田県の10代が減少してるだけ説。https://t.co/Kqa7YRk3iu
オーディオ
機器にすごいお金かけてるオーディオマニアの人って、自分の耳掃除にどんぐらい金かけてるんだろう。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月29日
やっぱり毎日プロに掃除してもらったりしてんのかな。
巧妙な手口
アンパンマンのせんべいが、ただの丸いせんべいなのにパッケージの工夫でアンパンマンが描かれてるみたいに見せてるの、巧妙な手口だな。 pic.twitter.com/L9D8yi4i0c— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月30日
悪いコンテンツ
「子どもを悪いコンテンツから遠ざけるには」って記事を見たんだけど、悪いコンテンツから身を守るには、遠ざけるんじゃなくて良悪問わず多くのコンテンツに触れさせるしかないんじゃないかな。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月30日
悪いものにたくさん触れないと悪いものを見きわめられない。
クールジャパン
電車に乗ってたら、前の席にがっしりした体格の女子大生が三人乗ってきた。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2018年5月30日
ひとりがペットボトルを手にして「これ前より小さくなってない?」と言うと、隣の子がスマホを見ながら「あんたが大きくなっただけやで」と言ってたのがクールだった。
2018年7月13日金曜日
ぼくたち見せしめ大好き!
『人口減少社会の未来学』という本の中で、平川克美氏がこんなことを書いていた。
ここには少子化を(少しだけ)食い止めるヒントが書かれている。
婚外子の保護を手厚くすることだ。
でも。
断言してもいいが、絶対に日本は「結婚してない親から生まれた子どもを支援する」方向には舵を切らない。
フランスやスウェーデンだって結婚せずに子を生むことを推奨しているわけではない。ただ「結婚せずに生まれた子も差別せずに、むしろ積極的にサポートしていきましょう」と言っているだけだ。
日本はそれすらやらない。やれない。「むしろ積極的に差別していきましょう」という方針を貫く。
他の国はどうだか知らないので比較はできないが、日本人は"見せしめ"が好きだ。人類に共通する習性かもしれないが。
犯罪者が罰を受けることに対して、ほとんどの人は「被害者への償い」「犯罪者の更生」だとは考えていない。「他の人への見せしめ」と思っている。
だから遺族が望まなくても被害者の実名や写真を公表するし、報道に「冤罪だったら」「加害者が刑期を終えて一般市民に戻ったら」なんて視点は少しもない。
あるのは「悪いことをしたやつはこうなるんだぞ。わかったな」という見せしめ意識だけだ。磔(はりつけ)刑の時代とやっていることは変わらない。
見せしめだから、冤罪であっても関係ない。被害者が報道を望んでいなくても関係ない。補償も更生も気にしない。
それが冤罪であっても、犯罪を大々的に報道することは「悪いことしたらこうなるんだぞ」という見せしめには有効だ。
「結婚してから子どもを産んだほうがいい」という考え自体は、世界中ほとんどの文化で主流を占める考えだ。
でも"見せしめ"が好きな人たちは「結婚してから子どもを産んだほうがいい。だから結婚せずに子どもを産んだら不幸になるべきだ」と考える。そうすれば結婚せずに子どもを産む人間は減るだろう、と。
「高校を中退したやつはまともな仕事につくべきじゃない」
「不倫をしたやつはテレビに出るべきじゃない」
「あくどい儲け方をしたやつはろくな死に方をしない」
「夫婦別姓なんか選択する家庭の子どもはつらい思いをする」
赤の他人が高校中退しようが、不倫をしようが、法律スレスレのやりかたで金儲けをしようが、夫婦別姓を名乗ろうが、自分には関係ない。でも"見せしめ"を欲しがっている人にとってはそうではない。自分の考えと違う生き方をしている人には不幸になってほしいと思っている。
結婚してないやつは子どもを産むな、未成年者は子どもを産むな、まともな仕事をしてないやつは子どもを産むな、子どもをかわいがれないやつは子どもを産むな、責任感のないやつは子どもを産むな、他人に迷惑をかけるなら子どもを産むな、でも少子化を止めるために結婚して子どもを産め。
わが国で求めらているのはそういうことだ。
世の中が求めているのは「規範的な生き方をする人」と「見せしめ」のどちらかだけだ。規範から外れているけど幸せな人、は欲していない。
ぼくは「子どもは親のものではない」と思っている人間なので、個人的には、とりあえず産んでみて育てるのが難しそうだったらとっとと手放せばいいと思う。
子育てに必要なのは「何があっても子どもをまっすぐ育てあげる覚悟」ではなく「親が手放した後もちゃんと育てる仕組み」だと思っている。
2018年7月12日木曜日
古典の実況中継
高校生のとき、授業中にひとりで「実況中継」という遊びをやっていた。
授業中の他の生徒の様子を、ルーズリーフにひたすら書いてゆくのだ。
「□□が古典の教科書で隠しながら英語の宿題をやっている。と思ったら寝てしまった」
「〇〇が大きなあくびをした。それを見た△△が少し笑った」
これをルーズリーフにびっしり書く。五十分の授業中ずっと書く。
他の生徒を観察するのはなかなか愉しかった。ぼくは遊んでいるんだけど、ぱっと見ただけだと熱心にノートをとっているように見えるので意外と注意されなかった(一度、教師から「おまえは一生懸命ノートをとってるけど、そんなに書くことあるか?」と言われたが)。
できあがったルーズリーフには『〇月〇日 古典の実況中継』とタイトルをつけていた(タイトルの元ネタは当時売れていた参考書のシリーズ名だ)。
実況中継のルーズリーフは今でも実家にある。
たまに読みかえすと、二十年近くたった今でも授業中の雰囲気が思い起こされてなつかしい。おもしろくて、懐かしくて、泣きそうになる。
以前、同窓会に持っていったらものすごく盛り上がった。
現役学生の人たちは、後年のためにぜひとも実況中継をしておくといい。
十年後の自分が愉しめるから。
2018年7月11日水曜日
【読書感想文】 春間 豪太郎『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険』
『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険』
春間 豪太郎
高野秀行さんが絶賛していたので読んだが、なるほど、高野氏の文章の系統を走りながらも、もっと勢いと行き当たりばったり感がある。一言でいうならば「若い」文章。
たったひとりでロバと仔猫と鶏と仔犬と鳩を連れてモロッコを旅する、というブレーメンの音楽隊みたいな冒険。だんだんパーティーの仲間が増えていくのは桃太郎にも似ている。鬼退治はしないけど。
めちゃくちゃめずらしい体験をしながらも、そこで語られている心の動きは「動物が病気で苦しんでいるのがかわいそう」といったごくごくなじみ深い感情で、非日常と日常のギャップがおもしろい。
海外を旅してまわっている人って行動力も語学力も判断力も高いスーパーマンみたいに感じてしまうのだけれど、春間豪太郎さんはごくふつうのにいちゃん、という印象。なんとなくやってみたらなんとかできました、みたいな感じ。
もちろんじっさいは細かく下調べしているし行動力も決断力も高い人なんだけど、文章からはそれを感じさせない。この気取らなさがすごくいい。
文章のテンポもすばらしい。余計な修辞や描写がなく、事実だけを突きつけるような文章。ぼくの好みだ。
この簡潔さの中にこそ想像力のはたらく余地がある。描写が少ないことでかえって情景がイメージできる。
これだけめずらしい体験をしていたら細大漏らさず長々と書きたくなりそうなものだが、大胆に省略をしているのでさくさく読める。これは文才か、編集者の腕か。
冒険に連れていくロバを探すシーン。五頭のロバの中からどれを買うか決めることになる。
他にも、サソリを見つけたら「サソリの毒がどんなものか知るために」わざと刺されたり、あえてリスクのある選択ばかりしている。
ロバを連れてひとりでひとけのない道を旅するわけだから、ロバの良し悪しが文字通り命運を握ることもあるだろう。そんな状況でも「ロバがかわいそう」というシンプルな理由で扱いにくいロバを選んでしまう。
ちょっとしたことかもしれないが、ごく自然にこの選択ができるからこそ、誰もがやらない冒険をやれたんだと思う。
「やろうと思えばやれるけど誰もやらないこと」をやる人とは、「かわいそうだから」という理由で暴れロバを選べる人だ。
世界を変えるのはこういう人なんだろうな。そして、わざとサソリに刺されることのできないぼくは冒険をすることはできないのだとつくづく思う。
すごくおもしろかったので他の本も読んでみたいと思ったけれど、現時点(2018年7月)ではこれ一冊しか上梓していない。早くべつの本書いてくれ!
その他の読書感想文はこちら
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