2015年11月2日月曜日

【ふまじめな考察】汚れをください

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スポンジに洗剤をたっぷりつけ、きゅっとひとなで。
ぎとぎとの油汚れがすっととれて、真っ白なお皿が姿を現す。
という洗剤のCM。

欲しい。
欲しくてたまらない。

新製品の洗剤を、ではない。
あの油汚れがほしい。


あんなにきれいに落ちる汚れ、CMでしか見たことない。
ぎっとりと汚れているのに、さっと拭くだけで鮮やかに落ちる。
あの汚れを拭いたらさぞかし気持ちよかろう。
換気扇の汚れもあんなだったら、どんなに換気扇掃除が楽しいだろう。


ふだんやらないところを掃除するのは楽しい。
なぜなら、目に見えて汚れが落ちていくから。
風呂場の排水溝を掃除をするのは、風呂をきれいにしたいからじゃない。ぬめぬめの髪の毛を見て、ああこんなに汚れがとれた、と達成感を味わいたいからだ。

「留守宅に侵入して風呂を掃除していた男が逮捕されました。男は『ぬめぬめをとりたいという欲望が抑えられなかった』などと供述しており、警察ではぬめぬめ欲しさの計画的な犯行と見て捜査を進めています」
みたいな事件もどこかで起こっているにちがいない。
それぐらい「汚いものがとりたい」というのは、人間の根源的な欲求なのだ。


だから、こまめに掃除をして、いつも部屋をぴかぴかにしている人を見ると、かわいそうだと思う。
だって彼らは、ごっそり溜まった汚れを落とす快感を味わえないのだから。汚れは溜めれば溜めるほど、こそげ落とす喜びは大きい。微々たる汚れしか落とせない、きれい好きさんが不憫でならない。


ところで洗剤のCMの話に戻るが、あの映像に出てくる汚れは、当然《落とすための汚れ》なんだろな。
汚く見えて、落ちやすい汚れ。
となると、洗剤を開発している薬品会社には、《落とすための汚れ》を開発する《汚れ開発部》が存在するにちがいない。
そこでは、よりかんたんに落ちてより汚ならしく見える汚れを開発するために、優秀な研究員たちが日夜、研究に研究を重ねているのだ。

殺虫剤を開発しているメーカーでは、実験をするためにゴキブリや蚊を大量に飼育している。
あそこにもまた、《殺すための虫》を飼育する害虫飼育班がいるわけだ。

なんだか不毛なことをしている気もするが、よく考えたら我々はみな、排出するために食事をして、死ぬために生きているわけだから、ま、そんなもんか。 このエントリーをはてなブックマークに追加

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