2017年1月4日水曜日

切ない積み木

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3歳の娘を連れて近所のおばあさんの家に行ったら、積み木やぬいぐるみをいっぱいくれた。

その家には娘がふたりいる。ふたりとも40歳を過ぎている。

長女は結婚して家を出ている。12歳と9歳の子どもがいる。
次女のほうは独身だ。まだ実家にいる。


さて。
それをふまえて、ぼくの娘がもらった積み木とぬいぐるみについて考えてみた。


けっこう年季の入ったおもちゃだ。

今では40歳を過ぎた娘たちが、幼い頃に遊んでいたものだろう。

やがて彼女らは成長し、おもちゃで遊ばなくなる。
でも、数々の想い出が詰まったものだから捨てられない。

「いつか孫ができたときのためにとっておこう」
そう考えて物置にしまう。



やがて長女は結婚し、孫ができる。

孫たちが遊びに来たので、物置から積み木とぬいぐるみをひっぱりだしてくる。

かつて娘が遊んでいたおもちゃで、孫たちは喜んで遊ぶ。こんなにうれしいことはない。



しかし孫の成長はあっという間。
彼らもやがてぬいぐるみでは遊ばなくなる。

でもやっぱり処分はできない。

いつか次女に子どもができたときのために……。
そう思ってふたたび物置にしまいこむ。



ぼくの娘がもらいうけたのは、その積み木とぬいぐるみなんだと思う。

ということは、つい最近、「次女が結婚して子どもを産む」ことをあきらめたのではなかろうか。

だから、他人であるうちの娘にぬいぐるみをくれたのではないだろうか。



ううむ。

そう考えると切ないものがある。

ぜんぶ勝手な想像だけど。



とりあえずぼくは、同じ思いをしないよう、ひな人形を早めに片づけようと思う。
3月3日の午前中のうちには片付けようと思う。



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