2016年11月16日水曜日

【エッセイ】わざとイライラさせる方法

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最近読んだ本に載っていた、アメリカのとある大学でおこなわれた実験。

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まず被験者たちをイライラさせる。
イライラした被験者たちを2つのグループに分ける。
1つのグループは、ストレス発散のためにサンドバッグをなぐったり物を投げたり大声を出したりする。
もう1つのグループは、何もせずに静かに座る。

その後、2人1組でゲームがおこなわれ、ゲームの勝者は敗者の顔の前で不快な音を立てる権利が与えられた。

さてサンドバッグを殴って叫び声を上げたグループは怒りが静まっただろうか。
結果は逆だった。
サンドバッグを叩いたグループは叩く前より攻撃的になり、仲間の目の前で長く大きな音を立てた。
つまり、イライラしたときに暴れたり大きな声を出すのは、ストレスを発散するどころか逆効果だということだ。

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……という実験結果もおもしろかったのだが、ぼくがもっとおもしろいと感じたのは実験の前段階。

「まず被験者たちをイライラさせる」という部分。

被験者たちをイライラさせるために、実験者は何をしたか。


実験の参加者は、まず大きな数(たとえば3000)から、13ずつ引き算をさせられる。
2987、2974、2961……というように暗算で数を引いていく。

そして、30秒ごとに
「もっと早くできないのか!」とか
「どうしてそんなに遅いんだ!」とかの言葉を被験者に浴びせたのだそうだ。


この実験内容を読んで、ぼくは大笑いし、そして感心した。

いやこれ、どんなに修行を積んだ高僧でも相当イライラするよ。まちがいなく。
シンプルだけどじつに効果的な方法だ。

この実験を考えた人物は、なんて頭がよくて、そしてなんて性格が悪いんだろう。
実験をやっている間、さぞ楽しかったにちがいない。


で、これがイライラさせるための実験ならいいんだけど、
まさに行動している最中の相手に対しての叱咤がいい結果を生むと思ってる上司とか教師とか親とかって少なくないよね!


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