この世の中でいちばんの欺瞞はバーにある。
バーテンダーのシェイク、あのシャカシャカシャカってやつ。
あたしカクテルのこととかぜんぜん知らないけど、あれぜったいウソ。
あそこまでやらなくてもいい。
エコじゃないし。
ラーメン屋の大将が湯切りするときみたいに、ちゃっちゃっちゃって3回ぐらい混ぜたら十分。
シャカシャカシャカって3回振って、もしちゃんと混ざってなかったらイヤだから念のためあと2回だけシャカシャカってやって、はいもうオッケー。
それ以上やるのは、もう完全にパフォーマンスでしかない。
どっかのバカな女が
「シャカシャカシャカ、かっこいー!」
って言い出して、
それ聞いたバカなバーテンダーが調子に乗って必要以上にシャカシャカシャカシャカシャカシャカやりだした。
それしか考えられない。
だってそういうのいっぱい見てきたもの。
好きな女の子が有名ミュージシャンをかっこいいって言ってるのを聞いて、必死こいてギター練習して、必要以上に練習してる間に好きな女の子に彼氏ができてるってパターン。
ギターがうまい男が好きなんじゃなくて、好きな男がギター上手ってだけだったことを思い知らされるパターン。
バーテンダーのシャカシャカも一緒。
かっこいいバーテンダーがシャカシャカやってるのがかっこいいってだけ。シャカシャカがかっこいいわけじゃない。
かっこいいバーテンダーだったら、米を研いでる姿もかっこいい。ぬか漬けを漬けてるところも渋くて絵になる。とんがりコーンを全部の指にはめてから食べる振るまいなんか優雅ですらある。
そういうことわかってない童貞バーテンダーが、うわべだけ真似してシャカシャカシャカシャカシャカシャカやりだした。
もうあれ、完全にいちばんかっこいい回数、通りすぎてる。
たぶん3シャカぐらいがベスト。
そのへんですぱっと終わらせれば、見ているほうも
「なに今のやつ!? 一瞬だったからよく見えなかったけどかっこよかった気がする! もっと見たい!」
って思う。
引き際が大事。わびさびの極致。
千利休がカクテル作るときは、シャカっと1回だけやって、あとはじっくり余韻を楽しむと思うな。
2015年10月14日水曜日
2015年10月13日火曜日
【写真エッセイ】乳製品地獄
ふと気づいたのだが、我が家の冷蔵庫は乳製品ばかりだ。
ヨーグルト2箱にチーズ6種、牛乳、飲むヨーグルト。
この写真には写っていないが冷蔵庫のドアポケットには牛乳2本と練乳が常に立っているし、冷凍庫にはピザ用チーズとミルクアイスバーとピノが入っている。
会社のデスクの引き出しを開けるとミルクキャンディーとミルクティーの粉末が出てくる。
ついでにいうと、ぼくが愛用しているボディーソープはヤギのミルクからできている(ちょっと臭い)。
ここまで乳を摂る人間は、アルプスの酪農家にも多くはいまい。
クララも驚いて立ち上がるほどのミルク尽くしだ。
ぼくはほらばかり吹いているので、生前妄言をはたらいた者が落ちる大叫喚地獄に行くことがすでに確約されている(もう招待状も届いている)
だが乳製品ばかり口にしているぼくを釜茹でにしたら、地獄の大釜にラムスデン現象(牛乳を温めたときに表面に膜が張る、例のアレ)が起こることはまちがいあるまい。
2015年10月12日月曜日
【エッセイ】保育士のタスク処理
娘の保育園の運動会。
「会場の設営を手伝ってほしいので、おとうさんたちは早めに会場に来てください」
と案内があったので、朝8時に会場へ。
で、行ってみたのだが、やることがない。
ぼくだけでなく他のおとうさんたちも、所在なさそうに立ち尽くしている。
といって設営が終わっているわけではなく、保育士さんたちは忙しそうに走り回っていろんな仕事をしている。
なんでこんなことになっているのかぼくなりに考察してみた。
保育園の先生は小学校の先生とちがい、子どもに仕事をさせることがまずない。
あなたはこれをやって、あなたはこっちの仕事をして、とタスクを割りふっても園児には対応できないからだ。
だから保育士さんは、仕事を割りふることに慣れていない。
その結果、会場設営の指揮を執る人間がひとりもおらず、保育士さんだけがあっちへ行ったりこっちへ走ったりしている。
集まったおとうさんたちは、それぞれの職場ではちゃんと仕事をしている人たちなのだろうが、なにしろバイトばかりで責任者がひとりもいない店に突然放り込まれたようなものだから、何をすることもできない。
尋ねようにも、保育士さんたちはあっちこっちへ走り回っている。
運動会なのだからマイクもあるのに、誰も指示を出さぬまま、とうとう保育士だけで設営は完了し、休みの日に早起きして集まったおとうさんたちはあくびをするのであった。
「会場の設営を手伝ってほしいので、おとうさんたちは早めに会場に来てください」
と案内があったので、朝8時に会場へ。
で、行ってみたのだが、やることがない。
ぼくだけでなく他のおとうさんたちも、所在なさそうに立ち尽くしている。
といって設営が終わっているわけではなく、保育士さんたちは忙しそうに走り回っていろんな仕事をしている。
なんでこんなことになっているのかぼくなりに考察してみた。
保育園の先生は小学校の先生とちがい、子どもに仕事をさせることがまずない。
あなたはこれをやって、あなたはこっちの仕事をして、とタスクを割りふっても園児には対応できないからだ。
だから保育士さんは、仕事を割りふることに慣れていない。
その結果、会場設営の指揮を執る人間がひとりもおらず、保育士さんだけがあっちへ行ったりこっちへ走ったりしている。
集まったおとうさんたちは、それぞれの職場ではちゃんと仕事をしている人たちなのだろうが、なにしろバイトばかりで責任者がひとりもいない店に突然放り込まれたようなものだから、何をすることもできない。
尋ねようにも、保育士さんたちはあっちこっちへ走り回っている。
運動会なのだからマイクもあるのに、誰も指示を出さぬまま、とうとう保育士だけで設営は完了し、休みの日に早起きして集まったおとうさんたちはあくびをするのであった。
2015年10月10日土曜日
【エッセイ】あなたの風邪はどこから? ぼくは娘から!
娘が風邪をひいたので看病していたらぼくにもうつった。
それにしても子どもの回復力ってすごい。
娘ときたら、40度近い熱を出していたくせに、2日ぐらいでけろっとして走り回っている。
一方、30歳オーバーのぼくときたら、1週間たってもまだ咳が止まらない。
話はとつぜん変わるが、以前 友人から
「仕事を辞めるつもりなんだけど、たいしたスキルもないし、今からだと転職も厳しいと思う。おれでも転職できそうな会社に心当たりない?」
と相談を受けた。
ぼくなりに八方手をつくし、いくつか知り合いにあたり、
「そういう人だったら面接してもいいよ」
といってくれる会社を見つけた。
急いで友人に連絡をとると、
「ああ、あれね。いや、会社やめないことにしたよ。今の仕事けっこう好きだし」
とあっさりした返事。
おい!
ぼくがあれこれ考えて手をつくしているうちに、勝手に自己解決してんじゃねえよ!
と思ったものだけど、
ぼくがゴホゴホ咳きこんでいる横で 風邪をうつした張本人が元気に走り回る姿を見ていたら、そのときの気持ちを思い出した。
それにしても子どもの回復力ってすごい。
娘ときたら、40度近い熱を出していたくせに、2日ぐらいでけろっとして走り回っている。
一方、30歳オーバーのぼくときたら、1週間たってもまだ咳が止まらない。
話はとつぜん変わるが、以前 友人から
「仕事を辞めるつもりなんだけど、たいしたスキルもないし、今からだと転職も厳しいと思う。おれでも転職できそうな会社に心当たりない?」
と相談を受けた。
ぼくなりに八方手をつくし、いくつか知り合いにあたり、
「そういう人だったら面接してもいいよ」
といってくれる会社を見つけた。
急いで友人に連絡をとると、
「ああ、あれね。いや、会社やめないことにしたよ。今の仕事けっこう好きだし」
とあっさりした返事。
おい!
ぼくがあれこれ考えて手をつくしているうちに、勝手に自己解決してんじゃねえよ!
と思ったものだけど、
ぼくがゴホゴホ咳きこんでいる横で 風邪をうつした張本人が元気に走り回る姿を見ていたら、そのときの気持ちを思い出した。
2015年10月9日金曜日
【考察】全小説家を代表してがっかりします
毎年毎年、村上春樹がノーベル賞の受賞逃したっていわれて、そろそろ「村上春樹」が秋の季語になりそう。
でも受賞を逃したのは、村上春樹だけじゃなく日本中の作家全員なんだけどな。
全員のカルマを一身に背負わされてかわいそう。
キリストみたい。
でも受賞を逃したのは、村上春樹だけじゃなく日本中の作家全員なんだけどな。
全員のカルマを一身に背負わされてかわいそう。
キリストみたい。
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