友人と飲んでいて、「オシャレなランチのお店」の話になった。
「あー。オシャレランチの店ね。三十代の女性ふたりでやってるような店で、豆を使ったカレーとかのオーガニック系メニューが中心で、入口に劇団やアート系のフライヤーが置いてあるような、そういう系のお店ね」
と云ったら、
「その言い方! おまえオシャレな感じの店をこばかにしてるやろ」
と笑われた。
いやいやそんなことないよオシャレだと思ってるよと否定したけど、
改めて自問してみたら、いややっぱり心底ではこばかに してる。
「こじゃれたもの」「かっこいいもの」を嗤ってしまうこの感覚。
わかってくれるだろうか?
裏にある「ほらこういうことしとけばみんなオシャレだと思うんでしょ?」という企みが透けて見えるから、こばかにしてしまうんだろうか。
「かっこよくしようとしているがゆえにかっこ悪い」というこの感覚に、何と名前をつければいいのだろう?
辞書の中にはちょうどいい日本語が見あたらない。
ぼくの中では
「かっちょいい」
「シャレオツ」
という言葉が、かっこよくないしオシャレでもないのでいちばんしっくりくる。
うん、アート系のフライヤーが置いてあるパスタ屋さんはシャレオツだな!
2015年5月16日土曜日
父親と呑む
父と飲みに行くことになった。
これまでにも家族で飲みに行ったことや実家でふたりで飲んだことはあったけど、ふたりだけで外に飲みに行くのはよく考えたらはじめてのことだ。
世の父親にとって「息子と酒を酌み交わす」というのは、中年期三大イベントのひとつらしい。
(あとのふたつは「前立腺の病気になる」「マッチ棒で作っていた五重の塔がついに完成する」だ)
父にとってのビックイベントだと思うとぼくまでどきどきしてきた。
父のためになんとしてもこのイベントは成功させてやらなければならない。
そしてぼくに息子が生まれたら、いつか今日の日のことを思い出しながら成人した息子に云うんだ。
「どうだ。父さんと飲みに行かないか。割り勘で」
と。
これまでにも家族で飲みに行ったことや実家でふたりで飲んだことはあったけど、ふたりだけで外に飲みに行くのはよく考えたらはじめてのことだ。
世の父親にとって「息子と酒を酌み交わす」というのは、中年期三大イベントのひとつらしい。
(あとのふたつは「前立腺の病気になる」「マッチ棒で作っていた五重の塔がついに完成する」だ)
父にとってのビックイベントだと思うとぼくまでどきどきしてきた。
父のためになんとしてもこのイベントは成功させてやらなければならない。
そしてぼくに息子が生まれたら、いつか今日の日のことを思い出しながら成人した息子に云うんだ。
「どうだ。父さんと飲みに行かないか。割り勘で」
と。
2015年5月15日金曜日
おばちゃん いさぎよし
近くのスーパーで抽選会をしていた。
ぼくも買い物を終えてレシートを握りしめて抽選の列にならんだ。
ぼくの前にならんでいたのは中国人の夫婦だった。
夫婦は、おばちゃんの店員にレシートを渡し、箱の中からくじをひいた。おばちゃん店員はレシートに「くじびき済み」という意味のサインをして、中国人夫婦に返す。
ふんふん、なるほどね。
手順は把握した。
次はぼくの番。
おばちゃん店員にレシートをさしだすと、おばちゃんはレシートをちらりと見ただけで手に取ろうとせず、くじの箱をぼくに渡した。「はいどうぞ。1枚ひいてください」
ん?
レシートにサインするんじゃないの?
「あれっ。レシートは……?」
「あ、いいのいいの」
「えっ、でも、さっきの人はサインしてたし……」
「ああ。サインは中国人だけなの。
あの人たちはほっとくと何回も並ぶから」
とおばちゃん。
すごい。
なんて正直な人なんだ。
思っていたとしても、なかなか口に出せるものではない。ましてや初対面の相手に。
たいていは大人として、差別的な発言をしちゃいけないというブレーキがはたらいてしまう。
しかしこのおばちゃんは断言した。中国人はルールを守らない、と。
なんと潔いのか。すがすがしいほどだ。
このおばちゃんの潔さに敬意を表して、ぼくも断言しよう。
世界中のスーパーのおばちゃんはすべて潔い、と。
ぼくも買い物を終えてレシートを握りしめて抽選の列にならんだ。
ぼくの前にならんでいたのは中国人の夫婦だった。
夫婦は、おばちゃんの店員にレシートを渡し、箱の中からくじをひいた。おばちゃん店員はレシートに「くじびき済み」という意味のサインをして、中国人夫婦に返す。
ふんふん、なるほどね。
手順は把握した。
次はぼくの番。
おばちゃん店員にレシートをさしだすと、おばちゃんはレシートをちらりと見ただけで手に取ろうとせず、くじの箱をぼくに渡した。「はいどうぞ。1枚ひいてください」
ん?
レシートにサインするんじゃないの?
「あれっ。レシートは……?」
「あ、いいのいいの」
「えっ、でも、さっきの人はサインしてたし……」
「ああ。サインは中国人だけなの。
あの人たちはほっとくと何回も並ぶから」
とおばちゃん。
すごい。
なんて正直な人なんだ。
思っていたとしても、なかなか口に出せるものではない。ましてや初対面の相手に。
たいていは大人として、差別的な発言をしちゃいけないというブレーキがはたらいてしまう。
しかしこのおばちゃんは断言した。中国人はルールを守らない、と。
なんと潔いのか。すがすがしいほどだ。
このおばちゃんの潔さに敬意を表して、ぼくも断言しよう。
世界中のスーパーのおばちゃんはすべて潔い、と。
2015年5月14日木曜日
連絡先交換のタイミング
もう10年以上も携帯電話を使っているが、いまだに「連絡先を交換するタイミングの正解」がわからない。
別れた後で「まあまあ仲良くなれたから番号聞いときゃよかったかな」と思ってしまう。
メールアドレスを聞かれて
「えっ。この人、この距離感でもう聞いてくるんだ」と当惑してしまう。
今後会うことはなさそうだなと思いながらも一応連絡先を交換しておいて、案の定その後一度も連絡をとれずにメモリを消すに消せなくなる。
ほくの情報リテラシーが足りないせいだろうか(リテラシーの意味知らんけど)。
できる大人の心の教科書には、正解が書いてあるのだろうか。
そういう点で、名刺交換というシステムは優れている。
ビジネスマン同士だと、会っていきなり名刺交換。
タイミングもへったくれもない。
連絡先を聞こうか聞くまいか思案する余地もない。
「悪用されないように」という【不信】を前提にしたシステムが大半の現代日本において、
「そんなに悪さはしないだろう」という【信頼】によって成り立っている名刺システムはひときわ輝きを放っているように見える。
別れた後で「まあまあ仲良くなれたから番号聞いときゃよかったかな」と思ってしまう。
メールアドレスを聞かれて
「えっ。この人、この距離感でもう聞いてくるんだ」と当惑してしまう。
今後会うことはなさそうだなと思いながらも一応連絡先を交換しておいて、案の定その後一度も連絡をとれずにメモリを消すに消せなくなる。
ほくの情報リテラシーが足りないせいだろうか(リテラシーの意味知らんけど)。
できる大人の心の教科書には、正解が書いてあるのだろうか。
そういう点で、名刺交換というシステムは優れている。
ビジネスマン同士だと、会っていきなり名刺交換。
タイミングもへったくれもない。
連絡先を聞こうか聞くまいか思案する余地もない。
「悪用されないように」という【不信】を前提にしたシステムが大半の現代日本において、
「そんなに悪さはしないだろう」という【信頼】によって成り立っている名刺システムはひときわ輝きを放っているように見える。
2015年5月13日水曜日
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