NHKニュース『自転車交通違反に「青切符」来年4月からの方針 反則金の額は…』
自転車の交通違反に対する罰則が強化されるらしい。
携帯電話を使用しながら運転する「ながら運転」や信号無視、二人乗りのような明らかな違反はもちろん、一時停止、右側通行、歩道通行、傘差し運転、並んで走行のような「99%のライダーは一度はやったことがあるであろう」違反までが罰金の対象になるという。
大賛成だ。もっとも制度を定めるだけでは意味がないので、じゃんじゃん取り締まってほしい。なんなら民間の取締員なんかを雇って大々的にやってくれ。
とはいえすべての道路において等しく適用するのにはちょっと無理があるとおもう。
たとえば郊外だと、「車やバイクはびゅんびゅん飛ばしていて、広い歩道には歩行者はほとんどいない」道がある。こんな道で、歩道を自転車が並んでゆっくり走っていても、危険でもなんでもない。すべてを厳しく取り締まれという気はない。
あくまで他人に迷惑をかけている場合に限って、厳しく取り締まってほしい。
歩行者としては、自転車に危険な目に遭わされることがよくある。特にぼくは幼い子を連れて歩いているのだが、歩道を歩いていてもけっこう怖い。ぜんぜんスピードを落とさず歩道を走る自転車がいる。ぼくが車道側を歩くようにしているのだが、わざわざ子どものいる側(車道と反対側)につっこんでくる自転車がいる。歩行者に対してベルを鳴らす自転車乗りがいる。傘をさしたまま歩道を走って、傘がぶつかってもおかまいなしで進む自転車がいる。
控えめに言っても自転車乗りのマナーは最悪だ。もちろん全員ではないだろうが、ここ一年以内にひとつも違反をしたことのない自転車乗りは全体の5%もいないだろう。つまり最悪ってことだ。
一方、罰則強化に対して不満の声も上がっているらしい。
「大型トラックとかがすれすれを走ることがあり、狭い車道を走るのは危険だ」
「罰則強化の前に自転車が安心して走れる道を整備してほしい」
「自転車専用レーンがあっても一時停止や駐車違反の車があって走れないことがある」
など。
なるほど、なるほど。ぼくも一時は毎日のように自転車に乗っていたからよくわかる。たしかに車道を走るのは危険だし、自動車のマナーも悪いもんね。走りにくいよねー。
安心してほしい、そうした不満を解決するかんたんな方法がある。
自転車を降りて、押して歩道を歩くのだ。
これですべて解決。はい、よかったね。
はっきり言って、道が狭かろうが、路上駐車があろうが、そんなものは車両が歩道を走っていい理由にはならない。
考えてみてほしい。車だって、いつでも好きなように走っているわけではない。路上駐車があってすれちがえなかったり、信号無視をする歩行者がいたり、車道に猫がいたり、いろんな事情で通行を妨げられる。
そんなときに「危ないけど周囲が避けてくれるだろうという気持ちで突っ込みました」「路駐が邪魔だったので車で歩道を走ることにしました」「猫がいたから、対向車が来てるけど右車線を走ることにしました」といったことが許されるだろうか? そんな言い訳をしても、頭のおかしいドライバーとしかおもわれないだろう。
だが、その頭のおかしい発想をする自転車乗りはいっぱいいる。しょうがないから歩道を走りました、じゃないんだよ。安全に走れないんなら止まるんだよ。
車を運転していて「このまま進むとぶつかるかもしれない」と感じたらどうするか。止まる。または徐行する。ドライバーならあたりまえにやっていることだ。「しかたなく歩道を走る」「しかたなく逆走する」なんて選択肢はない。
自転車も同じことをすればいいだけだ。
幸い、自転車には「押して歩けば歩行者になれる」という強力な武器がある。これは車にはない選択肢だ。
安全に通れないとおもったら(自分の安全だけでなく、もちろん歩行者やドライバーの安全も含む)止まる。そして安全になるまで待つか、自転車を押して歩行者として歩く。
これで解決する。歩行者になったら歩道だって横断歩道だって道路の右側だって堂々と通れる。よかったね。
これでほぼすべての問題が解決する(「歩道橋だけあって横断歩道がない」道とかはちょっと困るが、そんな歩道橋にはまずまちがいなくスロープがある)。
自転車を降りて押して歩いてたら遅くなるじゃないかって?
そうだよ。あたりまえじゃない。
車だって、いつだって制限時間いっぱいで走れるわけじゃない。制限速度60km/hの道でも、止まったりスピードを落としたりして走るから、実際に進むスピードはもっと遅くなる。それを考慮に入れて早めに出発する。自動車ドライバーなら誰もがやっていることだ。
自転車ライダーの公道に対する不満って99%が「自転車を降りて押して歩道を歩けばいいじゃない」で解決するんだよね。
「安全に進めないときは止まるか降りるかすればいい」という思考のできない自転車乗りが多すぎる。
こち亀の両さんが「生きるか死ぬかで悩むな。悩んだらまずは“生きるモード”に切り替えて、そこから“どう生きるか”を悩め」と言っていたが、多くの自転車乗りがこれと同じで、危険がさしせまっていても“走るモード”を選び、そこから“どう走るか”を考えてる。
人生と自転車はちがうんだから、ちゃんと“止まるモード”や“歩くモード”を選べよ。
これはあれだな。
「安全に進めない状況なのにむりやり進んだ自転車乗りは死後、裸足で自転車に乗せられ、熱々の鉄板の上を延々と走らされ、疲れて足をおろすと大やけどをする無間業火鉄板サイクリング地獄に落とされるよ」
と教えてあげるべきだな。
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