2015年6月22日月曜日

負け惜しみではなく

これは負け惜しみで言うわけじゃないんだけど、21世紀にもなってまだ木片で栓をしてるとか、すげぇダセえと思うんすよね、おれ。


2015年6月21日日曜日

人のネギを笑うな

 多くの日本人と同じく、ぼくもネギが大好きだ(ちなみに計画性なくネギを買うので、現在我が家には青ネギと白ネギとタマネギがある)。
 ネギは食材で唯一「万能」という称号を与えられるだけあってどんな料理にも合うし、栄養価も高いし(知らんけど)、値段も手頃だし、本当に偉大なる存在だ。
 なぜネギが国民栄誉賞を受賞しないのか、ぼくには不思議でしょうがない。
 しかし。
 ネギを愛してやまないぼくだけど、スーパーに行くたびに毎回ネギを買うのを躊躇してしまう(結局買うんだけど)。
 なぜならネギは
『使い勝手のいい野菜 第1位』であると同時に
『買って帰るのが恥ずかしい野菜 第1位』でもあるからだ。
 青ネギはともかく、白ネギは絶対に(そう絶対に!)スーパーの袋から顔を出す。
 スーパーからの帰り道、ぼくはずっと白ネギを周囲に見せつけながら歩くことになる。
 これが恥ずかしくてたまらない。

 ぼくはいい大人だから、いろんなことを隠しながら生きている。
 裸で出歩いたりしない。
 歌をうたいたくなっても大声でうたいながら道を歩いたりしない。
 エロいことを考えているときだってなるべく顔には出さないように気をつける。
 街ですれ違う人たちはみんな、ぼくが何者で何を考えているか知らないはずなのだ。

 それなのに。
 スーパーの袋からネギをのぞかせながら歩く姿を見た人には、ぼくがネギを好きだということがわかってしまうのだ。
 あの人、ネギ買ってるわ。
 あんなすました顔をしているけど、家ではネギを食べるのね。
 街ゆく人の声が聞こえてくるようだ。
 ああ。恥ずかしくてたまらない。
 巨大な堤防だって、小さな亀裂をきっかけにして崩壊する。
『ネギ好き』が世の人々の知るところとなれば、それをきっかけにしてぼくの内に隠しているすべてが露呈してしまうんじゃないか。
 それが恐ろしくてたまらない。

 そして『ネギ好き』というやつは、ぼくにとって本当にプライベートな部分なのだ。
 たとえばフランスパンではこうはならない。
 フランスパンも長いから袋には収まらない。だけどフランスパンをスーパーの袋からはみ出させて歩いたとしても、ぼくはちっとも恥ずかしくない。
 だって『フランスパンを買って帰るぼく』は本当のぼくじゃないから。
 セルフイメージのぼくはフランスパンを買わない。
 だから『フランスパンを買って帰るぼく』を見られたって恥ずかしくもなんともない。それは虚像なんだもの。
 だけど『ネギを買って帰るぼく』は実存にも関わる部分だ。
 だからネギを買って帰るのを知られることは、日記を読まれるよりも恥ずかしい。

 いやいや。
 いけない、こんなことじゃ。
 何を恥ずかしがっているんだ。
 ぼくは心の底からネギを愛しているのだ。
 胸を張って「ネギが好きだ!」と云ってあげなくては、何よりネギがかわいそうだ。
 ぼくは意を決して野菜売場へ向かう。
 美しい緑と白のコントラスト。まるまると太った身体つき。なんて甘そうなんだ。
 その最上級の白ネギを買い、ぼくは店を出る。
 手にはレジ袋。もちろん袋の口からのぞいているのは白ネギの上半身だ。
 みんながぼくのネギを見ている。
 今まさに、ネギを通してぼくの心の深遠が覗かれようとしている。
 だけどもうぼくはネギを隠したりはしない。
 きっとすごく性格が良くて心底愛しているんだけどブスの彼女を連れて歩くのはこんな気分なんだろう。
 笑いたければ笑うがいいさ。
 たしかにネギは安い食材だ。
 だけどもぼくはこいつを愛しているんだ!

2015年6月20日土曜日

シュレッダー取扱者


会社で大きなシュレッダーを買ったんだけど、こいつがすごく怖い。

だってとにかく大きいんだもん。
あたしくらいの大きさの貴婦人なら、軽々と飲み込んでしまえそうなサイズ。
一回も中のごみ袋を交換することなく、ふたりくらいは裁断できると思う。

おまけに何がおそろしいって、車輪がついてること。
たぶん、あんまり大きくて持ち運びが困難だからなんでしょうね。
鋭い歯とありあまる重量感だけでも恐怖なのに、機動性まで身につけてる。

もはや125ccくらいはあるんじゃない?

幸い、今のところこいつは高い知能は持ってないみたい。
エサ(不要紙)を与えられたときだけ食らいついて、ばかみたいにひたすら咀嚼してる。
鳥のヒナくらいの知性しか持ってない。

でも鳥のヒナってことは、ゆくゆくは成鳥になる可能性を秘めてるわけよね。
こいつが自由の翼を手に入れたとき。
考えただけでもぞっとする。

巨大なシュレッダーが、車輪をきしませながら次々に人を襲う。
逃げまどう子ども、立ち向かう男、巻き込まれるネクタイ、そして断末魔を残してシュレッダーに吸い込まれてゆく人々。

人類はDNAレベルで切り裂かれ、個人情報の断片と化す。
そのとき人間たちは思い知る。
個人情報保護という名のもとに、とんでもないモンスターマシンを産みだしてしまったことを……。

だからあたしは思うの。
この巨大シュレッダーを扱うためには、危険物取扱者資格か、せめて大型一種免許は必要にするべきだって。

2015年6月19日金曜日

こんにゃく外交


中国や韓国では、自国の国旗を燃やすのは違法、他国の国旗を燃やすのは合法らしい。

日本は逆で、他国の国旗を燃やすのは違法、自国はセーフ。

なんとなく外交姿勢が透けて見えておもしろい。

アメリカはというと、かつては「星条旗を損壊したものを罰する」という法律があったが連邦最高裁において違憲とされた。
なぜならアメリカ星条旗は「万人の自由と平等」を象徴するからだ。「星条旗を燃やす」ことも星条旗が象徴する自由に含まれる、というわけ。

その結果、星条旗を燃やすことに「アメリカに挑戦状を叩きつける」という意味はなくなった。
なぜなら星条旗を燃やすことは、星条旗の保証する自由に与することになるからだ。
攻撃していると思っていたのに、気づいたら相手の術にからめとられているという合気道のような技だ。

外交の極意はこんにゃく問答。

2015年6月18日木曜日

マメ喧嘩

往来で、交通違反で捕まったおっさんが、ものすごい剣幕で警察官に怒っていた。
けっこう口汚く罵倒していたのだけど、おっさんがずっと左手にマメ柴を抱えていたおかげで、意外となごやかな雰囲気につつまれていた。

このへんに世界平和のカギがあるような気がする。