2018年2月13日火曜日
卵どろぼう
オヴィラプトルという恐竜がいる。名前は「卵どろぼう」という意味だ。
最初に化石が発見されたときにそばに卵の化石もあったため、卵を盗んで食べる恐竜にちがいないと思われてこんな名前になった。
ところが後の調査で、オヴィラプトルの近くにあった卵の中にはオヴィラプトルの子どもがいたことがわかった。つまり彼らは卵を盗んでいたのではなく、自分の卵を温めていたのだ。
しかし「卵どろぼう」の名で定着してしまった彼らは、今もそのまま「オヴィラプトル」という卵どろぼう呼ばわりされている。
ひどい冤罪だ。冤罪が明らかになった今をもってなお、彼らの汚名は雪がれていない。
オヴィラプトル濡れ衣問題は、法治国家の限界を表しているようにも見える。
「疑わしきは罰せず」の原則が無視され、"容疑者"になっただけで犯人扱いされてしまう現実。
法に定まった罰以上に社会的な制裁を課されてしまう実情。
一度汚名を着せられたら、それが濡れ衣であっても永遠に拭えない社会。
こうした社会の危険性に対し、数千万年の時を超えて「卵どろぼう」が警鐘を鳴らしている。
2018年2月12日月曜日
ツイートまとめ 2017年11月
パスワード
百歩譲ってサイトごとにパスワード変えるとしてもだよ、せめてIDは全サイトで同じものを使わせてくれよ……。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月1日
なぞなぞ
3歳の女の子にあいさつしたら「1が1個のはもう終わった」と言ってて、なんのことかさっぱりわからなかったんだけど、よくよく聞いてみると「10月は終わって今日から11月」と言いたかったのだとわかった。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月1日
宗派
どんなイカれた葬式でも「そういう宗派だから」と言われれば人は受け入れてしまう説。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月2日
締め
説教の最後に「そういうとこやぞ」ってつければ整合性なくても収まりがいい。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月2日
そうかもしれん、って思ったやろ。そういうとこやぞ。
モータライゼーション
高齢ドライバーの主張「車がないと生活できない」って鵜呑みにしないほうがいい。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月2日
ほんとにどこにも行けない山間部もあるだろうが、15分に1本バスが来てスーパーも銀行も駅も行けるのにそう言ってるうちの親みたいな人もいる。
「車がない生活は想像できない」だけの人も多いんじゃないか。
クッパ
マリオで毎回クッパがピーチ姫をさらう理由が「結婚したいから」なのがファンタジーすぎるって言ってる人がいるけど、IS(イスラム国)の兵士は女を拉致して「結婚するか殺されるか選べ」とかやってるからな。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月2日
ちゃんと現実に則してるよ。
原始
原始鳥居@金剛山 pic.twitter.com/enN4zousBP— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月3日
絶対値
政治の話をするときって、主義主張の方向性よりも温度感が近いかのほうがまともに議論できるよね。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月4日
たとえば原発反対度1の人は賛成度1の人とは議論できるけど、反対度10の人とはまともな話にならない。
原発でも改憲でも現政権に対しての姿勢でも、賛成度10の人と反対度10の人っていっつも喧嘩してて、傍から見ていると「おまえらわざわざ喧嘩しにいっててほんとは仲いいんじゃねーの。つきあっちゃえよー!」って言いたくなるもんね。 https://t.co/nLABWHRkdW— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月4日
どんぐり
4歳の娘に「プラって書いてあるものやビニール袋はプラごみ、それ以外は一般ごみだよ」と教えたら「じゃあどんぐりはプラごみ?」と質問されたの、おまえはなにを聞いてたんだって言いたくなるし、そもそも捨てるなら毎日どんぐり拾って帰ってこないでくれ。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月4日
新技術
ドローンが落ちてけが人が出たら全国ニュースで、自動車でひかれて人が死んでも地方ニュースにもならない。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月4日
よっぽど新しい技術が憎いのだろうか。
でおうた
大阪の保育園に通っているからかわかんないけど、娘は「あるーひー 森のなかー くまさんにー でおうたー」と歌う。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月5日
逃走中
今度の『逃走中』の舞台は国会! リミットは1年! せまりくる野党の追及をかわし、最後まで逃げ切って莫大な私益を手にするのは誰だ……!? / “政府、重要文書「原則1年」保存 森友、加計批判で新指針案 - 共同通信 47NEWS” https://t.co/j8MLEhkWXx— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月8日
コメント
ブログ書いててコメントがないのを寂しいと思ってたけど、よく考えたらぼくも好きなブログ見るときはいちいちコメント残したり「いいね!」したりしない。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月9日
わかりやすいリアクションはないけど毎回読みにきてくれる、がいちばんいい読まれ方かもしれない。
下劣
「目的は崇高だけど手段は正しくない」はいちばん迷惑な存在だけど(過激な環境保護団体とか)、その逆の「目的は下劣だけど手段は崇高」は見ていておもしろい。昔24時間テレビのゴミ拾いのじゃましようぜっていって某掲示板の住人が事前にゴミを拾い集めちゃった話とか。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月10日
死にたい
「死にたい」と思わせない世の中にするのではなく「死にたい」と言えない世の中にする。ブラックジョークが過ぎる。 / “官房長官 座間事件受け不適切サイト対策強化を指示 | NHKニュース” https://t.co/Bo2JmsReSh— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月10日
知恵
子どもが楽しく遊んでいるのを切り上げさせたいとき、「帰ろっか」は聞き入れてもらえないが「あと○回やったら帰ろう」はわりと受け入れられる。ぼくが学んだ局所的な知恵です。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月11日
労働者
労働基準法を学んだジャイアン「労働者は資本家であるかあちゃんの奴隷じゃないっつーの!」— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月12日
労働闘争をはじめたジャイアン— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月12日
「人民のものは人民のもの。資本家のものも人民のもの」
のろけ
怪談師が語るのろけ話「女の子が死んじゃったよってニュースをやってるんです。それを見てぞっとしました。その女の子ってのが……今の妻です」— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月13日
ぬくもり
やはりロボットに戦わせるのは人と人とのつながりが希薄になるので良くない。直接会って傷つけあうことで人のぬくもりが感じられる。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月14日
「ロボット兵器」の規制 国連で議論 | NHKニュース https://t.co/6PtGLbnhJJ
4横綱
日馬富士がやられたか……。ククク……だがヤツは4横綱の中で最弱……。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月17日
非インスタ映え
よく行く銭湯が、11月26日は「いい風呂の日」ということでアヒルのおもちゃをいっぱい風呂に浮かべるらしい。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月19日
風呂だから当然写真撮影はできないわけで、TwitterとかInstagramとは無縁のイベントってなんかうれしい。行ってこよう。
捏造記憶
武田鉄矢は、いつ「ぼくが教師やってたときは……」って捏造記憶語りだしてもおかしくないな。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月20日
結束力
クラス対抗○○とか班行動とか、結束力を高めさせようとするイベントをなくせば学校のイジメは減ると思う。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月21日
喫煙者と非喫煙者をむりやり同じテーブルに座らせるようなことしたら、そりゃイジメも起こるよ。
漢字能力
近年、若者の漢字能力が低下している。例えば、中高年の大半が読めた「上九一色村」という字を正しく読めた若者はほとんどいなかった。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月21日
紙の本
ちょっと前にどっかの出版社のえらいさんが「図書館のせいで本が売れない」って言ってたけど、あと十年もすれば紙の本を買ってくれるのは図書館だけ、ってなことになってそう。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月23日
鳩
少女と鳩と少女と鳩。 pic.twitter.com/Y1L5OZiigY— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月25日
悪趣味
なんちゅう悪趣味な模型だ。 pic.twitter.com/HC56Oh2KqA— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月25日
プラシーボ
娘が「疲れたから歩けない」と言うので、ヤクルトを飲ませて「ヤクルトにはお薬が入ってるからすぐ疲れがとれるよ」と言うと、「元気になった!」と走りだした。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月26日
ヤクルトに入ってるプラシーボという成分が効いたらしい。
あひる風呂
あひる風呂行ってきた。— 犬犬工作所 (@dogdogfactory) 2017年11月26日
手前のジェット風呂に流されて、棲み家を追われたあひるが奥にかたまってた。 https://t.co/UXKlRjPucR
ライナスの毛布
スヌーピーでおなじみ『THE PEANUTS』にライナスという男の子が出てくる。
いつも青い毛布を持っている男の子。あの毛布は「ライナスの毛布」という名でも心理学用語になっている。
ぼくも「ライナスの毛布」を持っていた。というか今でも持っている。
三歳ぐらいのとき、さびしがりやで、ひとりでは泣いて寝られなかった。そこで母がパジャマを与えると、それを握りしめて寝ていたらしい。
母は古くなったパジャマを切ってぼくに与え、それ以来ぼくはパジャマのを持って寝るようになった。
ただぼくがライナスとちょっとちがうのは、布切れそのものではなく、それについているボタンに執着するようになったことだ。
パジャマの切れ端が汚くなったので母がとりあげると幼いぼくは大泣きした。代わりにべつの布切れを与えてもやはり泣いたが、その端にボタンを縫いつけてやるとうそのように泣きやんだそうだ。
ボタンをさわることで、安心した。
五歳くらいになると「ボタンのついた布を持っていないと寝られない」というのがなんとなく恥ずかしいことだと思うようになったので家族以外には隠していた。引き出しに布をしまい、夜になると引っぱり出してきてボタンをさわりながら眠った。
母には何度も「そんなの恥ずかしいからやめなさい」と言われた。自分自身、いつまでもボタンに頼っていてはいけないと思い、「もうやめる!」と宣言したこともあった。
けれどボタンをさわらずに寝るのはどうしようもなく寂しく、結局一日たつとまたボタン付きの布を引き出しから引っぱり出してしまうのだ。
小学生になっても、ボタンのついた布切れを持って寝ていた。
五年生のとき、林間学校という五泊六日の野外活動がおこなわれた。
布切れを持っていくかどうか迷ったが、ばれたら恥ずかしいことと、旅先でなくしてしまったらたいへんだという思いがあり、置いていった。
これが失敗だった。
帰ると、お気に入りの布切れがない。
母に訊いても「知らない」と云う。だが、それは嘘だった。留守中に、母が捨てたのだ。なぜなら、布切れが入っていた箱もいっしょになくなったのだが、後日母が「箱が見つかったよ」と持ってきたからだ。箱の中身だけが自然になくなるはずがない。
ぼくは泣いて母に抗議した。「泥棒!」と何度もののしった。母とは三日ぐらい口を聞かなかった。
母のことは嫌いではないが、このときのことはいまだに許していない。母が認知症になって「わたしの財布がない。盗んだんでしょ」とか言いだしたら、「ぼくが大事にしていたあの布切れを盗んだ人がよくそんなこと言えるね」とねちねちと責めたててやろうと思っている。
母の誤算は、小学校五年生は家庭科の授業でボタン付けを習っているということだった。
ぼくは母の裁縫道具箱からちょうどいい大きさのボタンを手に入れ、ハンカチの端にボタンを縫いつけた。
そして前と同じようにボタンをさわりながら寝た。
勝手に布切れを捨てた母に抗議するかのように、ボタンをさわる回数を増やした。
寝るときだけでなく、自室で本を読んでいるときにもボタンをさわるようになった。
部屋を開けるときは、再び母に捨てられないよう、机の引き出しのさらにその奥に布切れを隠した。
大学生になってひとり暮らしをするようになったときは、ボタン付きの布も持って行った。
いつしかボタンをさわらなくても寝られるようになっていたが、やはりボタンをさわっていると心の底から落ち着いた。
ボタン付きの布切れは、今でも持っている。
結婚して妻といっしょに住むときに持ってきた。引き出しの奥底に隠している。
今ではほとんどさわることがない。一年に一回ぐらいだろうか。ちょっとさわるだけで、さわりながら寝ることもない。
けれどさわるとやっぱり安心する。温泉に入ったときのようにリラックスした脳波が流れる。
幼いころからボタン付きの布切れとずっとつきあってきたから、ライナスの毛布を奪って逃げるいたずらをするスヌーピーのことはどうも好きになれない。
2018年2月10日土曜日
肉吸い
コンビニでおにぎりと肉吸いを買う。いつもはおにぎりと味噌汁だが、今日は肉吸いを買ってみた。
肉吸いは大阪の食べ物だ。全国的にはほとんど知名度がないし、大阪でもそんなにメジャーな食べ物ではない。Wikipediaにはこうある。
「カツ丼、カツ抜きで」というくだらない冗談みたいな食べ物、それが肉吸いだ。これぞC級グルメ。
行儀悪いけど肉吸いにおにぎりを浸して食べようと、あえて具なしおにぎりを買った。
昼休み。さあ食べようと思って、しくじったことに気がついた。
この肉吸い、お湯を入れて作るタイプではなく電子レンジで温めて作るやつだ。うちの職場にはポットはあるがレンジはない。
さあどうしよう。隣の会社に押しかけていって「すみません、肉吸い買ったんですけどレンジがなくて。電子レンジお借りできないですか」って言ってみようかな。
「肉吸いってなんですか」
「知りませんか。大阪ローカルの食べ物で、肉うどんからうどんを抜いたものです」
「知らないですね」
「そういえば"肉吸い"っていう妖怪もいるみたいですよ。人間に食らいついて肉を吸う化け物。タガメみたいな妖怪ですよね。タガメって知ってます? 田んぼにいる昆虫。タガメって魚やオタマジャクシをつかまえて、体内に消化液を送りこんでどろどろに溶かした肉を吸うらしいですよ。えへへ」
「うち、電子レンジないんですよ」
しょうがないからゼリー状になった肉吸いに、お湯を注いでみる。
うん、ぬるい。
やはり電子レンジじゃないとダメだな、と思いながらタガメのようにずるずると肉吸いをすすった。
2018年2月9日金曜日
盗んだカートを放置する
ぼくが住んでいるところって大阪の下町を再開発して新しいマンションがいっぱい建っているところで、だから古くから住んでいる人もいれば、きれいな高層マンションに住む上品なファミリーもいれば、昼間から公園で酎ハイ飲んでいるおっちゃんもいれば、銭湯に行けば背中に本意気の刺青(タトゥーじゃなくて刺青ね)が入ったお方もいるという、まあいろんな人が住んでいる地域だ。
ここに引っ越してきて衝撃的だったのは、スーパーマーケットのショッピングカートを持って帰るやつがいっぱいいる、ということ。
すぐ近くにスーパーマーケットがあるんだけど、そこのショッピングカートを家まで持って帰るんだよ。かごを乗せるキャスター付きのカート。
あれ、持って帰ってる人、見たことある?
ぼくはここに越してくるまで見たことなかった。せいぜい駐車場まで持っていって放置する人がいたぐらい。
それでもマナー悪いな、って思うけどうちの周りはそんなもんじゃない。
スーパーは地下にあるんだけど、カートを押したままエレベーターに乗って地上に上がり、カートを押したまま歩道を歩き、そのままマンションに入ってエレベーターに乗り、そして自分の部屋の前にカートを放置する。
しかもこういうのがたくさんいる。うちのマンションの同フロアだけでもそういう家が二軒ある。家の前にスーパーのカート放置してるババアの家が。
しかもババアのやつ、カート返さないの。次にスーパーに行くときに持っていかない。
だから家の前に三台カートが溜まっていることもある。
ふつうに犯罪でしょ。でも家の前に堂々と盗んだカートを三台も溜めてるの。尾崎豊もびっくりだ。
しかもぜんぜん悪いと思ってないの。通路ですれちがったら、盗んだショッピングカートを押しながらにこにこして「こんにちはー」ってあいさつしてくんの。こんなにほがらかな泥棒、ほかにはルパン三世しか見たことない。
うちのマンションだけじゃなくて、他にもそういうババアがいっぱいいる。
マンションの自室の前まで持って帰るババアもいれば、マンションの入り口に放置するババアもいる。
こないだなんか近所の公園にカート停めてあったしね。スーパーから五十メートルくらいの距離にある駐輪場の前にもよく放置されてる。よぼよぼのババアならともかく、自転車で来るぐらい元気のあるババアなのにスーパーの外にカートを持っていってる。
ババアたちが盗んだカートをところかまわず放置しているから、スーパーにカートがぜんぜんないことがある。五台くらいしか残ってない、みたいなことが。
だからときどきスーパーの店員が近所をうろうろしてカートやカゴを回収している。
たいへんだな。この店員さんもスーパーでパートするときにまさか近所のマンションを回ってカートを回収してまわることになるとは思ってなかっただろうな。
もう一人二人の頭おかしいババアの話じゃないんだよ。この町ではカートを持ちだしてもいい、みたいな風潮になっちゃってんの。
カートを持ち出して放置する習慣が文化として地域に根付いちゃってるの。
「地域文化で日本を元気にしよう!」みたいなことを云う人がいるけど、うちの地域の文化はスーパーのカートの持ち出しだからね。どうやって日本を元気にするんだ。
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