2017年10月15日日曜日
なんとなくずるやすみ
朝、4歳の娘が「しんどい……。ごはん食べたくない……」と言う。
ゼリーなら食べられそう? と訊くとこくんとうなずく。
保育園おやすみする? と訊くとこくんとうなずく。
しかし熱を測ると36.2度。
咳も出ていないし昨夜は元気に跳びはねていた。
これはもしかして……と思いながらも保育園に休みますと連絡を入れて、ぼくも会社を休むことにした。
しばらくはおとなしくえほんを読んでいたが、やがて暇をもてあましたらしく「どっか行こうよー」などと云う。
「お昼何食べたい?」と訊くと、「串カツ!」と云う。
おいおまえ、それもっとも病人食と遠いやつじゃないか。
ゼリーしか食べられなかったやつが食べたいっていう食べ物じゃないだろう。
串カツを食べに外に出ると、さっそく元気よく走りはじめた。
「しんどいんじゃなかったの?」と訊くと「しんどい……」と弱々しく応じるが、1分たつとすぐに設定を忘れてまた走りはじめる。
まちがいない。これは詐病というやつだ。
もっと平易な言葉で言うならば仮病。
そういや1年前にも同じようなことがあった。
まあいいか。1年に1回ぐらい、保育園をずるやすみしたくなる日もあるだろう。
うまく表現できないけど、4歳児なりにいろいろ抱えていらっしゃるんでしょう。
保育園に行きたくない理由が具体的にあるわけじゃないけど、ただなんとなく行きたくないこともあるんでしょう。
あえて指摘せず「病気でしんどい娘」という設定に乗っかってあげることにした。
おかげでぼくも仕事を休めた。
こんなことでもないと「体調不良でもないのに休む。何の用事もないのに休む」ってできないしね。いい機会だ。
ぼくも娘のずるやすみにつきあい、本を読んだり昼寝をしたりしてごろごろと過ごした。
翌日、娘は何事もなかったかのようにいつも通りに起きて元気よく保育園に行った。
子どもも大人も、たまには「何の理由もないけどなんとなく休む日」があってもいいと思う。
2017年10月14日土曜日
うまい炭水化物を食わせる店
ご飯が大好き なので、うまいご飯を食わせる店があったらいいのにと思う。
最高級の新米を、ちょうどいい火加減で炊いたご飯。
できたら釜で。直火で。高級炊飯器で炊いたほうがおいしいのかもしれないけど、気持ち的にはやっぱり釜のほうがうまそうだ。
つやつやでふっくらとした炊きたてのご飯。メニューはそれだけ。
ご飯だけの店。ザ・めしや。
いや、ザ・めしやはすでにあるか。
さすがに ご飯好きでも、ご飯だけではそんなに食べられないからご飯のお供もほしい。
海苔、納豆、岩海苔、ちりめんじゃこ、鮭フレーク、食べるラー油、生卵、塩、肉そぼろ、バター醤油(ご飯とめちゃくちゃあうからね)なんかを置いといてほしい。全部市販のやつでいい。
ご飯のお供は食べ放題。
ご飯は一杯五百円。おかわりは二百五十円。
ご飯もお供も原価は安いし、調理の手間はほとんどない。ご飯を炊くだけ。
あとは客がつくかどうかだけだけど、職場の近くにあったらぼくなら週三で通う。
ご飯一杯五百円は高いが、外食で一食五百円と思えば安い。
なんといっても毎日のように食べても飽きないのがご飯のいいところだ。
どうなんでしょう、うまい炭水化物を食わせる店。
商売的にはかなりうまみがあるんじゃないかと思う(ご飯だけに)。
2017年10月13日金曜日
kawaii清純派
海外では「kawaii」がエロい言葉として使われている、という話を聞いた。
インターネットのおかげで海外の人もかんたんに日本のポルノにアクセスできるようになり、ポルノで「かわいい」という言葉がよく用いられているのを見て「これはエロい意味にちがいない」と思われているらしい。
なるほど。おもしろい。
逆の例でいうなら、ソープとかデリバリーとかヘルスとかも、本来エロい意味のない言葉なのに、日本においては風俗業界隈で用いられることが多いために淫猥な響きを持つようになってしまった。
そういえば「風俗」だって本来はまったくエロい言葉じゃなかったよね。
ということは、今やアダルト産業でしかまずお目にかかれない「清純」なんて言葉も、海外の人にとっては正反対の意味を持つようになるかもしれないね(もしかしたらもうなっているかも)。
2017年10月12日木曜日
3人のおかあさんと男女の違い
娘(4)の日記。
読んでいただければわかるように(読めねー!)、おままごとが最近の流行りらしい。
4歳になって「今日、保育園で何をしたか」を説明できるようになったんだけど、「おままごとをした」と「おにんぎょうであそんだ」が多い。
おままごとは誰が何の役をやったの? と訊くと、
「M(自分)はバブーちゃん(赤ちゃん)、Rちゃんがおねえちゃんで、NちゃんとSちゃんとKちゃんがおかあさん」
とのことだった。
複雑な事情のありそうな家庭環境だ。
女の子ばかりなので、みんなおかあさんをやりたがって、おとうさんをやる子がいないらしい。
「男の子はおままごとしないの?」と訊くと、「Kくんだけはやってくれるけどほかの子はプラレールとか車とかであそぶ」のだそうだ。
保育園では特に男女の区別もなく育てていると思うのだが、自然と男女グループに分かれていくのはおもしろい。
そういえば、ぼくはレゴが好きなので娘ともよくレゴであそぶ。
ブロックで家や車をつくるのだが、興味深いのはその後で、娘はつくった家や車でおままごとをはじめる。
レゴの人形を持ってきて「こんにちはー。あそびにきましたよー」などと言いはじめる。
ぼくはレゴを組み立てたりばらしたりするほうが楽しいのだが、娘は組み立て作業よりもおままごとに興じている時間のほうが長いぐらいだ。
ぼくがこどものころは、友人と「レゴでつくった車をぶつけあって先に壊れたほうが負け」「レゴの人形の首をならべて首タワーをつくる」とかやっていたので、ずいぶんと遊びかたがちがうものだ。
![]() |
| レゴ人の首 |
3歳までは男も女も同じように走りまわるだけだったのだが、4歳くらいから別々の道を進みはじめるんだねえ。
2017年10月11日水曜日
星新一のルーツ的ショートショート集/フレドリック ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』
『さあ、気ちがいになりなさい』
フレドリック・ブラウン (著), 星 新一 (訳)
ショートショートの神様・星新一が「大きな影響を受けた作家」と語るフレドリック・ブラウンのベスト短篇集。訳は星新一。
収録されている12作はいずれも1940年代。
アメリカは戦争中にSF小説を楽しんでいるんだから、そりゃあ戦争に負けるわなあ。余裕が違いすぎる。
どの作品も、ぜんぜんテイストが異なり、それぞれに奇想天外な設定が与えられている。
悪魔の復活をいたずら坊やが防ぐ『おそるべき坊や』
あらゆる電気や電波を奪う宇宙人が現れる『電獣ヴァヴェリ』
自身の無意識にはたらきかける新発明をめぐる顛末『ユーディの原理』
18万年生きている人物が語る、いくつもの人類の歴史『不死鳥への手紙』
どれも奇抜な設定だが、スムーズな話運びと期待を裏切らないスマートなオチで楽しませてくれる。
星新一ファンとして、特に印象に残ったのが以下の2篇。
『みどりの星へ』
緑のない星に不時着した男が、緑の地球に戻れる日だけを夢見ながら生きる。ついに男のもとに救助がやってくるが――。
という、なんとも星新一っぽいストーリー(というか星新一がこっちに影響を受けてるんだけど)。
切れ味のいいオチではないが、静かに狂気を感じさせる後味。
世界初の有人宇宙飛行より10年以上前にこういう小説が書かれてたのかと思うと、人間の想像力ってたいしたものだなと思うね。
『ノック』
ではじまる作品。
星新一ファンなら誰しも『ノックの音が』を連想するね。15篇すべて「ノックの音がした」で始まる意欲的なショートショート集だ(『人形』はめちゃくちゃ怖かったなあ)。
なるほど、『ノックの音が』はこの作品にインスピレーションを受けて書かれたのか……。
『ノック』は、この短い怪談にユニークな背景を与えて思わぬ解釈を与える、というもの。
宇宙人が出てくるし、展開はコミカルだし、初期の星新一作品のような味わいだった(何度も書くけど星新一がこっちに影響を受けてるんだけど)。
SFあり、サスペンスあり、コメディあり、ブラック・ユーモアありとバラエティに富んだ作品集で、まるではるか遠くの恒星のように70年たった今でも輝く作品だねえ。
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