2016年3月1日火曜日

【エッセイ】パンツマン

今日も妻から「パンツ姿でうろうろしないで」と怒られた。     


うん、でも、ちょっと待って。

たしかにうろうろした。
先週の水曜日もうろうろしたし、建国記念の日にもうろうろした。

だけど聞いてくれ妻よ。
ぼくだって好きでパンツ歩きをしていたわけじゃない(好きでするときもあるけど)。

風呂に入ろうと思った。
脱衣場で服をすべて脱いだところで、パジャマを忘れたことに気がついた。
そこでぼくは、居間にいる妻を気遣い
“ わ ざ わ ざ パ ン ツ を 履 い て ”
パジャマを取りに行った。

はいここ重要。
とても重要。
赤いマーカー引いといて。
引きすぎて下の文字がにじむぐらい引いといて。
辺り一帯引いてどこがほんとに重要なのかわかんなくなるぐらい引いといて。

そう。
ぼくは服を脱いでパンツマンになったんじゃない。
パンツを履いて、パンツマンになったの。
これ、似ているようで180度ちがうからね。
言ってみりゃプラスのパンツ。


だってね、考えてもごらんよ。
街中で、突然おじさんが服を脱いでパンツ一丁になったらみんなどう思う?

怖いよね。
嫌な気持ちになるよね。

でも、街中に全裸のおじさんがいて、そのおじさんがパンツを履いてパンツ一丁になったらどう思う?

ほっとするよね。
ああよかった、って思うよね。

そうゆうこと。
これがプラスのパンツの力。

だからパンツ履いてくれてありがとうという感謝の気持ちを夫に対して持つことが……あっはいごめんなさい余計なこと言ってないですぐ退散します!

2016年2月29日月曜日

【映画感想】『長い長い殺人』

『長い長い殺人』(2007年)
暴走車に轢かれ、頭部を殴打された男の死体が発見された。被害者の妻・法子(伊藤裕子)は愛人がいる派手好きな女、しかも夫に3億円の保険金をかけていたことが発覚する。世間やマスコミは法子と愛人・塚田(谷原章介)に疑惑の目を向けるが、2人のアリバイは完璧だった。そして事件を担当する所轄刑事の響(長塚京三)、探偵の河野(仲村トオル)は不可解な連続殺人事件へ巻き込まれていく。

原作は宮部みゆきの同名の小説。

原作を読んだのはもう20年以上前なのでストーリーはほとんど忘れてしまった。
覚えていることといえば、
「小説の語り手が財布」だということと、
「おもしろかった」ということだけ。

(あの頃の宮部みゆきはほんとに神がかっていた。それまでミステリといえば江戸川乱歩と赤川次郎しか読んだことのなかった中学生のぼくにとって、『我らが隣人の犯罪』『スナーク狩り』『長い長い殺人』はめまいがするほどおもしろかった)


さて。
映画『長い長い殺人』、丁寧な作りの秀作だった。

映像化にあわせてストーリーを調整しながらも、原作者のメッセージの中核となるところにはしっかりと時間を割いている。
重みを置くべきところを心得ている、というアレンジのしかただ。

10ほどの章に分かれていて、かつ章ごとに視点が変わるという独特な構成。ともすれば散漫な印象にもなりかねなかったが、そのあたりもうまく処理している。
章のたびに緊迫感のある展開を用意していて、退屈させない。

まず事件の概要を説明し、容疑者が浮上し、観客の中でもこいつが犯人だという確証が高まったところで、決定的な証拠を提示。
いよいよ逮捕かというところで容疑者の無罪を証明する完璧なアリバイを出してきてひっくり返してしまうという展開は、ほんとにスリリング。

全体的に静かな映画だったが、それがかえっていい緊張感を与えていた。


ただ惜しむらくは「語り手が財布である」必然性を感じなかったこと。

原作では、視点をころころ変えるわけにはいかないこと、事件関係者を語り手にしてしまうと情報を小出しにできないこと、といった小説特有の事情があり、いつも身近にあってプライベートな情報を多く持つ“財布”というアイテムからの視点にすることが優れた効果を生んでいた。

だが映像の場合は、視点を変えることも情報をあえて描かないことも比較的容易だから、あえて財布に語らせる必要はなかったとおもう。
「語り手が財布」というのが小説の最大の特徴だから切り捨てにくかったんだろうけど。

あと、『長い長い殺人』の重要なテーマとなっている劇場型犯罪者の心理については、20年前には斬新だったのだろうが、その数年後に、やはり宮部みゆきが『模倣犯』という金字塔的な作品が送り出した後の今となっては、正直目新しさは感じない。

ただ映画化された『模倣犯』は超がつく失敗作だったので、それと比べると『長い長い殺人』は完璧に近い映像化だといってもいいね。


2016年2月28日日曜日

【エッセイ】完全犯罪の夢

月に1回くらいのペースで、完全犯罪のトリックを思いつく夢を見る。

夢なので、起きたときにはほとんど覚えていない。
今朝も「完璧なトリックを思いついた!」と思って目が覚めた。
このままだと忘れちゃう! と思ってあわててメモをとった。
だが、今メモを見たら、

・てんとう虫に糸を結びつけて飛ばすことで脱出可能

という謎の記述だけ。

おそらく密室殺人のトリックだと思うのだが、いったいこれでどうやって犯行現場から立ち去れるのかは、今となっては完全に迷宮入りだ。

1ヶ月のメモを見ると

・カーニバルの日に交通事故に見せかけて殺す

とある。
トリックもわからないし、そもそもカーニバルの日がいつなのかもわからない。

それでも、メモしたときは
「すごいトリックを思いついた! 来年の乱歩賞はぼくのものだ!」
という興奮さめやらぬまま書いているのだから、きっとすばらしいトリックだったのだろう。

とはいえ。
実際のところ、乱歩賞どころか、ミステリ小説を書こうとすら思っていない。
それどころか、最近はほとんどミステリを読んですらいない。
それなのに、どうして完全犯罪(らしきもの)の夢ばかり見るのか。
これは、誰かを殺したいという真相心理の表れなのではないだろうか。



私は、胸のうちに密かな殺意を飼っている。

あまり私を怒らせないほうがいい。
さもないと、カーニバルの日に、糸のついたてんとう虫があなたの部屋から飛び立つことになりますよ。

ふっふっふっ……。


2016年2月26日金曜日

【クイズ】ものとその重さ

シンプルだけど難しい物理の問題。
某国立大学の物理学科卒の友人でも答えられなかった。

問1
体重計に乗り、壁を強く押す(壁に体重を預けるぐらい強く)。
体重の目盛りはどうなる?

1 増える
2 減る
3 変わらない


問2
体重計に乗り、前方に腕をすばやくつきだす(正拳突きをする)。
その瞬間、体重計の目盛りはどうなる?

1 増える
2 減る
3 変わらない


2016年2月25日木曜日

【思いつき】血を見ることになるぜ

おれも昔は相当悪かったよ……。

知らない奴との喧嘩は日常茶飯事。

目があっただけで殴りあいになったりした。
ましてや、会話なんかしたらすぐに喧嘩になってたよ。

“口を開けばすぐキレる”ってことで、
『冬場の乾燥くちびる』ってあだ名で呼ばれて恐れられてたぜ……。