2015年12月21日月曜日

【エッセイ】潔いチラシ

路上でチラシを配っている人が

「チラシですよー!
 チラシ配ってまーす!」

と言いながら配布していた。

ふつうは「新装開店でーす」とか「セール中ですよー!」とかだと思うのだが、「チラシですよー!」とはじつに潔い。


他にも潔い売り文句を考えてみた。

・レストランのメニュー「料理 1200円」

・洋服屋の店員「服、入荷しました」

・CM「宣伝してます」

2015年12月19日土曜日

【考察】専守防衛の秋

渋い皮で身を覆って

その上から硬い皮でガードして

さらに外側をトゲで武装して

そこまで食べられないように工夫しているのに

結局おいしく食べられてしまうクリって、ほんとかわいそう。

【考察】利かせろ、とんち!

小さい子どもを持つ女性が仕事をしようとするやん?
子どもを保育園に預けないと仕事に行けないやん?
でも仕事してないと保育園には入れてくれないやん?

……。

おい!
国会に一休さんを呼んでまいれ!!

2015年12月17日木曜日

【ふまじめな考察】イルミネーションとアヘン戦争


あたしがふしぎでならないのは、クリスマスのイルミネーションだとか夜景だとかを見て
「わー! きれーい!」
とはしゃぐ輩がいるってこと。

そしてそういう妙な感性の持ち主が特に通院も服薬もせずにまともな生活を送っているってこと。

電飾がぴかぴかしてて、いったいそれの何がきれいなの?

「きれい」ってのは、雲ひとつない青空だったり、しみひとつない肌だったり、掃除のゆきとどいた部屋だったり、
「余計なものがない、整然とした状態」を指すんじゃなくて?
金色と赤と緑と青の電飾がちかちかしている街なんて、肌でいったらほくろとしみとそばかすとあばたとにきびとかさぶたがあるような状態なわけじゃない?
それをきれいと思える感覚の人が、足と鉄球を鎖でつながれずにふつうの生活を送っている、ってことがほんとふしぎよね。

しかもそういう人間がどうも少なくないらしい。
でなきゃ、12月にあんなに街がちかちかラブホテル化することの説明がつかない。
ほんとふしぎ。

ばらばらの色がばらばらのタイミングでちかちかちかちかしているのをきれいだと思う人間がたくさんいるのに、19世紀の清みたいにアヘンが蔓延していないことが、ほんとふしぎ。

2015年12月16日水曜日

【読書感想文】 長野 伸江 『賞賛語(ほめことば)・罵倒語(けなしことば)辞典』


『賞賛語(ほめことば)・罵倒語(けなしことば)辞典』

長野 伸江

内容(「BOOK」データベースより)
ほめることば・けなすことば「サラリーマン」「妻」「夫」といった対象別に紹介。ことばの達人たちの実例から、「ほめる・けなす」のテクニックも学べます。

辞典と銘打たれてはいるが、辞典としての有用性はほぼゼロ。
でも読み物としてはおもしろい。
1770年刊の『遊子方言』で、「茶漬けを食べる」という意味の「茶づる」なる言葉が使われている、みたいな雑学も数多く拾える(「サボる」「タクる」のように名詞に「る」をつけて動詞にするのは200年以上前から日本人はやってたんだね)。あと「社畜」は1987年にはすでに使われていたとか。

古典文学、俳句、狂歌、現代小説、法律などさまざまな媒体から「ほめ言葉」「けなし言葉」の用例を拾ってきているが、だんぜんおもしろいのはけなし言葉のほう。なんならけなし言葉だけでもいいぐらい。
腰弁当、筍医者、文字芸者、小糠婿など、誰かを小馬鹿にする言葉には洒落が利いたものが多い。

褒めるときはたとえ拙い言葉で褒めたってかまわない。むしろたどたどしい語り口のほうがお世辞っぽさが消えて真実味が増す。
でも。けなすときはそうはいかない。
へたな悪口は、言われた本人を怒らすのはもちろんのこと、傍で聞いている人まで不快にする。
だから人をこばかにするときは知恵と技巧が必要だ。

「行動できる者は行動する。行動できない者が師になる」
英国の作家であるバーナード・ショーの言葉だ。
なんと知性にあふれた悪口だろうか。
見事な悪口は、褒め言葉よりも人を楽しませてくれる。