ランドール・ マンロー
十数年前に、一部の層に大ヒットした『空想科学読本』をご存知だろうか。
「もしウルトラマンが実在したら地球はどんなことになる?」といった疑問を、物理学の知識を使って鮮やかに解明(?)した科学エッセイだ。
そのアメリカ版ともいえるのが『ホワット・イフ?』(どうでもいいがもうちょっとマシな邦題をつけられなかったのか。中身のおもしろさを1%も言い表していないぞ)。
『空想科学読本』をちょっとアカデミックにした本。少しばかり知的な味わい。
たとえば、「元素周期表を実際の元素でつくったらなにが起こるか?」という章。
このあとさらにたいへんなことが巻き起こるのだが、続きは本書にて。
難解な計算はほとんどなく、高校レベルの物理や地学や化学の知識があれば楽しめる。
ユーモアの利いた文章もいい。
たとえば「世界中の人間を数週間隔離したら、風邪は根絶するんじゃないか」という章の一文。
Wikipedia好きならニヤリとせずにはいられないギャグでしょう。
核燃料プールに入っても意外と死なないとか、海の底にでっかい穴を開けたとしても海はなくならないとか、へえそうなんだと思わされる知見も得られて、ばかばかしくも脳が鍛えられる一冊。
千葉大の入試で「タケコプターは実現可能か?」という問題が出たことがあるらしいけど、大学入試問題に使ってもいい一冊だね。
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