2025年5月9日金曜日

【ボードゲームレビュー】もじあてゲーム あいうえバトル

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もじあてゲーム あいうえバトル 

内容説明(Amazonより)
50音の中から1文字ずつ攻撃して相手の言葉を推理する文字当てゲーム!
1文字ずつ攻撃して言葉を推理! みんな、なんて書いた?
相手の文字を全部当てろ! だんだんと明かされる文字。あの言葉はいったい何!?

お題から思いついた言葉を書いてまわりに見えないように置き、順番に1文字ずつ攻撃して当て合います。少しずつわかってくる文字から相手の言葉を予想して、すべての文字を攻撃しましょう。当てる推理と当てられるスリルが楽しいゲームです。


 こういうゲーム大好き! 言葉系のゲーム好きなんだけど、意外と多くないんだよね。なぜなら言葉系のゲームって紙とペンさえあればできるものが多いから。商品化しにくいんじゃないだろうか。

 ぶっちゃけると、この『あいうえバトル』も紙とペンがあればできてしまう。でも『あいうえバトル』についている「立てられるホワイトボード」があったほうが圧倒的に遊びやすい。ボードゲームとしては安めなので、なるべく買いましょう。


 ルールは以下の通り。

  1. お題(例:飲み物)が出され、各自7枚のプレートにお題にあう2~7文字の言葉を書く。濁点、半濁点は書かない。7文字に満たない分は「×」と書く。
    (レモネードなら「れもねーと××」と書く)
  2. プレートは自分だけが見えるように並べる。
  3. プレイヤーは順番に、五十音を一字ずつ宣言する。宣言された文字が書かれていた場合、そのプレートを公開する。
  4. 公開されたプレートを見て、他のプレイヤーがどんな単語を書いたか当てる。
    ただしわかっても口にしてはいけない。「×」を除くすべてのプレートが公開されたら負け。
  5. 最後まで残っていたプレイヤーが勝ち。


 ルールはだいたいこんな感じ。2~5人で遊べて、1ゲーム5~10分ぐらいで手軽に楽しめる。11歳の娘と遊んでいたのだが、横で見ていた6歳の娘も(説明を聞かなくても)すんなりルールを理解できた。

 6歳が傍で見ているだけで理解できるのだから、相当かんたんなルールだ。


 よくできているのが、「2~7文字の範囲であれば何文字の単語でもいい」というルール。

 最初にこれを見たときは「文字数が少ないほうがあてられる可能性が低くなるんだから有利じゃないか?」とおもった。ところがやってみてわかった、そんな単純なものではない。

 たしかに文字数が少なければ他プレイヤーに与える情報も少なくなるので、当てられにくくなる。
 だがここで効いてくるのが“「×」を除くすべてのプレートが公開されたら負け”というルール。文字数が多ければ、すべて公開されるまでにターン数を稼げるのだ。

 たとえばお題が「飲み物」で「かしすおれんじ」と書いていたとする。

「かし?お???」が公開されて、敵に「“かしすおれんじ”だな」とバレたとしても、そこからすべての文字が公開されるまでには最短でも4ターンかかる。その間に敵の文字をすべて公開してしまえば勝てるのだ。

 娘とやったときにこんなことがあった。「楽器」というお題で、ぼくは「ひあの(ピアノ)」と書いた。偶然にも娘もピアノを選んでいた。ただし娘が書いたのは「くらんとひあの(グランドピアノ)」。

 当然、勝ったのは娘のほう。すべてのプレートをめくるのに時間がかかるから。

 当てられにくい短い単語を書くか、すべて公開するまでに時間を稼げる長い単語を書くか。当てられたら終わり、ではないからこそ生まれる駆け引きだ。

    


「他人の書いた単語を当てる」だけでなく「自分の書いた単語を当てられないようにする」も重要だ。

 敵が「あ」を使っているかどうか気になる。だが「あ」と言うと、自分が書いた「あ」のプレートを公開しないといけない。だから言いたいけど言えない……。

 この心理を利用して、相手のプレートを推測することもできる。前半は「よく使われる文字を挙げる」のがセオリーだ。ん、ー、う、い、よ、ゆ、か、などがよく使われる文字だ。なのに誰も「ん」と言わない。ははあ、たぶん「ん」が含まれているな、とわかるわけだ。」


 このセオリーが定着すると、あまり使われない文字を使うと勝率が高まる。へ、ぬ、などはあまり使われないので、当てられにくい。

 だがこれも諸刃の剣で、「ぬ」が公開されてしまった場合に不利になるという弱点がある。一文字目が「ぬ」だったりすると、「ぬ」で始まる単語は少ないので、容易に答えを推測されてしまうのだ。



 シンプルなルールながらけっこう奥が深い。気軽に遊べて、長く遊べる。

 いいゲームだ。


 ちなみに6歳児はまだ日本語表記があやしい(バレーボールを「はーれほーる」と書いたり、氷を「こうり」と書いたりする)ので、「3文字目に“ー”と書いているがほんとは2文字目か4文字目に書く単語かもしれない」といったところまで読むことが必要になってくる。


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