隣町の銀行に出かけ、歩いて帰った。
電車でたった1駅の距離。
西に向かって歩きはじめた。
まっすぐ行くより裏通りを通った方が早そうだ。
ん?
いつまでたっても知っている道に出ない。
人がどんどん減っていく。
家もなくなった。
川が見えた。なぜ川?
川なんか近くにないはず。
これはちょっと方向がずれていたんだな。
少し引き返す。
引き返したはずなのに、はじめて見る道。
あれ?
何度も方向転換をしたせいで方角がさっぱりわからない。
北極星を探す。
ない。だってまだ午前11時。
切り株の年輪を見ればどっちが南かわかるはず。
ない。街中に切り株はない。
よくわからんけどたぶんこっちが家だろう。
ええいままよ。
おっ! 見覚えのある建物が。
おおー。
ん?
銀行だ。さっき行ったところ。
出発地点じゃないか。
しかも銀行から西に向かって歩き始めたはずなのに、銀行の東側に戻ってきた。
なにこれ。
同じ所をぐるぐる回っていたのか?
どこかで時空がねじれていたとしか考えられない。
よく元の世界に戻ってこられたものだ。
まあいいや。
出発地点に戻ってしまったけど、ここまで来れば家までの道はわかる。
まっすぐ行くより裏通りを通った方が早そうだ。
ん?
いつまでたっても知っている道に出ない。
人がどんどん減っていく。
家もなくなった。
川が見えた。なぜ川?
川なんか近くにないはず。
あれ?
同じ所をぐるぐる回っている?
空間だけでなく時間も……?
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