2024年7月25日木曜日

小ネタ21 (アンパンマンの出自 / 折りたたみ傘じゃない傘)

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出自

 アンパンマンを毎週観ている人には常識だろうが、アンパンマンとカレーパンマンは同族ではない。というかあのアニメに出てくるキャラクターの中で、アンパンマンだけが他と違う。

 カレーパンマンも、しょくぱんまんも、天丼マンも、アンニンちゃんも、鉄火のマキちゃんも、自分の顔を人に食べさせたりしない。それぞれ自分の名前のついた料理をつくってふるまうだけだ。

 そしてもうひとつ異なる点は、しょくぱんまんはことあるごとに「しょくぱんのように美しい」と言い、てんどんまんとカツドンマンは天丼とかつ丼のどっちがおいしいかで喧嘩をしたりするのだが、アンパンマンが「アンパンがいちばんおいしいよ!」などと言っているのを聞いたことがない。アンパンマンはべつにアンパンに誇りを持っているわけではない。

 これは出自に由来する。アンパンマンはジャムおじさんがつくったアンパンに「いのちの星」が入ったことで誕生した。つまり、アンパンマンはアンパンそのものである。

 だが他のやつらはそうではない。あの世界において、しょくぱんまんは、食パンみたいな顔をした“人”である。天丼マンもアンニンちゃんも鉄火のマキちゃんも“人”だ。アンパンマンだけが食品なのだ。


 保育園で、娘のいる5~6歳児クラスが自画像を描いていた。20人ぐらいの絵を見たのだが、誰も鼻を描いていなかった。それぐらいの年齢の子は鼻を描かないのだろうか。だとしたら何歳から鼻を描くようになるのだろう。

 娘に「誰も鼻描いてないな」と言ったら「かいてるけどはだいろやからわかりにくいだけ!」と言われた。なるほど。


レトロニム

 新しい種類が誕生したことでもともとあった概念に新たにつけられた名前を「レトロニム」と呼ぶ。携帯電話ができたことでそれまで単に「電話」と呼ばれていたものが「固定電話」になったり、デジカメが誕生したことで「カメラ」が「フィルムカメラ」と呼ばれたりするようなものだ。

 ふと、「折りたたみ傘じゃない傘」を指すレトロニムがないな、と気づいた。

 日傘との区別をつけるためにそれまで「傘」だったものが「雨傘」と呼ばれるようになった。だが「折りたたみ傘じゃない傘」のことはなんと呼べばいいのだろう。「折りたたみ傘じゃない傘」と呼ぶしかない。

 さらにまぎらわしいのは「折りたたみ傘じゃない傘」もたためるということだ。折りこそしないが、たためてしまう。


 ……とここまで書いたところで調べてみると、「折りたたみ傘じゃない傘」を指す言葉はちゃんとあった。「長傘」というそうだ。聞いたことねえ!



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