2021年8月27日金曜日

音痴の子

このエントリーをはてなブックマークに追加

  ぼくは音痴だ。

 まあそれはいい。よくはないが、あきらめた。
 学生時代は音楽の授業だとか合唱コンクールだとか二次会のカラオケだとか人前で歌わなきゃいけない場面もあったが(カラオケは断っていたが)、もうおっさんになった今ではそんな機会もなくなった。はあ、やっと人前で歌うことから解放された。


 だが娘たちにはぼくのようにつらい思いをさせたくない。
 音楽の授業や合唱コンクールで恥をかいてほしくない。ぼくは「カラオケに行っても断固としてマイクを持たない」「いっそふざけて歌っていじられる」みたいなやりかたでしのいできたが、女の子だとそれもむずかしかろう。
 同調圧力も男子より強そうだし、下手でも変に気を使われてその場は何も言われず本人のいない場で「すごい下手だったよねー!」みたいに言われるかもしれない。

 だが遺伝のせいか環境のせいかわからないが、長女はぼくに似て音痴になってしまったようだ。音痴のぼくが聞いても「音程むちゃくちゃだな」とおもうので(まちがっていることはわかるがどうすれば直るかはわからない)。
 ちなみに妻は絶対音感の持ち主でもちろん音痴ではないのでぼくに似たのだ。
 次女はまだ二歳なので音痴なのかどうかよくわからない。


 遺伝ならしょうがない。これはどうすることもできない。
 だが環境だとしたら申し訳ない。
 変な音程が身に付いてはいけないとおもい、長女が赤ちゃんのときなどはなるべく子守唄などを歌わないようにしていた。だが保育園でいろんな歌をおぼえてきて「いっしょに歌おう!」と言われると、「いやお父さんは人前で歌わないことにしてるから」とは言いづらい。何度も娘の前で歌った。音程のずれた歌を聞かせてしまった。

 ごめんなあ。
 おとうちゃん、うまく歌う方法は教えられへんけど、カラオケを断る方法やったらいくつか知ってるから教えたるで。


【関連記事】

【読書感想文】全音痴必読の名著 / 小畑 千尋『オンチは誰がつくるのか』


このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿