「知識がなくても正解にたどりつけるクイズ」が好きだ。
「アメリカ合衆国の首都は?」という問題は、知っているか知らないかだ。知っていれば答えられるし知らなければ答えられない。それだけ。頭をひねる必要がないからおもしろくない。
ぼくが好きなのは、答えを知らなくても、周辺知識から推理して答えにたどりつけるクイズだ。
お気に入りの「知識がなくても正解にたどりつけるクイズ」を2つ出題しよう。
1. 日本の市町村(東京23区除く)のうち、JRの駅がなく、かつその中でもっとも人口が多い市町村はどこ?
2. ニュージーランドには人間がやってくるまで哺乳類が1種類しかいなかった。その哺乳類とは何か?(ヒント:ネズミではない)
以下、考え方と答え。
1. 日本の市町村(東京23区除く)のうち、JRの駅がなく、かつその中でもっとも人口が多い市町村はどこ?
ふつうはある程度の人口がある都市であればJRの駅が存在する。なので「人口は多いのに何らかの事情でJRの駅がない町」を考えればよい。
まず思いつくのは島である。沖縄にはJRが通っていない。ならば那覇市か。
いい発想だ。だが那覇市は3位だ。
問題は「JRの駅」に限定しているので、私鉄の駅がある市町村だろうか。
関西は私鉄が強く、私鉄王国と呼ばれている。中でも大阪府豊中市は阪急が通ったことによって急速に発展した町なので、JRの駅はないが人口は多い。
だが豊中市は2位だ。
1位は「人口は多いが住民があまり電車を利用しない町」である。
電車を利用しないということは自動車を利用しているということ。日本で最も車の保有台数が多いのは愛知県。その中でも特に自動車利用率が高い市町村といえば……。
そう、答えはトヨタのお膝元・豊田市だ。
答えを知らなくても「なぜJRを利用しないのか?」と考えれば正解にたどりつくことは可能だろう。
2. ニュージーランドには人間がやってくるまで哺乳類が1種類しかいなかった。その哺乳類とは何か?(ヒント:ネズミではない)
地球上で最初の哺乳類はネズミのような動物だったという。そこから進化して他の様々な哺乳類が誕生した。
もしもニュージーランドにネズミ以外の哺乳類が誕生したとしたら、その元となったネズミもいるはずである。
ということは、唯一の哺乳類は固有種ではない。他の大陸や島からやってきたものだ。
ポイントは「1種類しかいない」ということだ。短い距離であれば海を泳いで渡ることのできる哺乳類はいるが、ニュージーランドが他の島からかんたんに泳いでこられる距離にあるならもっとたくさんの哺乳類がやってくるはずだ。
つまりニュージーランドは他の島から泳いでこられるような距離にはないのである。
泳いできたのではないとすると、飛んできた……。
そう、答えは哺乳類で唯一飛翔できるコウモリである。
答えを知らなくても「なぜ1種類しかいないのか?」と考えれば正解にたどりつくことは可能だろう。
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