2023年5月31日水曜日

側転の因数分解

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 九歳の長女が「体育の授業で側転をやらなきゃいけないのにぜんぜんできない」と言う。

 やってみてもらうと、たしかにぜんぜんできない。からっきしだ。

 どこがダメかというと、足が上がっていない。側転は足を真上に上げなきゃいけないのに、長女の足は腰の高さぐらいまでしか上がっていない。惜しいとこにすら達してない。これではいくら側転を練習してもだめだろう。もっと根本のところに原因がありそうだ。


 まず足を上げる練習をしなきゃだめだよね、ということで調べてみると「カエルジャンプ」なる練習がいいらしい。

 両手を床につき、ジャンプして両足を上げる練習だ。足と足でタンタンと二回拍手(拍足?)ができるようになるといいと書いてある。

 で、長女にカエルジャンプをしてもらったのだがまったく足が上がらない。四歳の次女のほうがはるかに高く足を上げている。

 恐怖心があるからおもいっきり飛べないのかなとおもい、身体を支えてやる。「どんなに跳んでも支えてるのでひっくりかえらないよ」と伝えるが、それでもまったく跳べない。どうやらびびってるわけではなく、単純に地面を蹴るが足りないらしい。


 地面を蹴る力を鍛えるにはどうしたらいいんだろう、と調べてみると、「壁に向かって倒立をするといい」とある。

 やってもらう。案の定、まったくできない。

 まずはうまくいくイメージをつかんでもらおうとおもい補助をしてやるが、それでも倒立ができない。腕で身体は支えられるのに、お尻が落ちてしまうのだ。

 腕の力が足りないわけではなく、足を上げる力が足りないらしい。


 倒立ができないときは、後ろを向いて(つまり壁のほうに顔を向けて)倒立をするといいそうだ。

 が、やはりできない。エビぞりみたいな恰好になってしまう。長女はバレエをやっていて身体が柔らかいのだが、それがマイナスにはたらいているのか、変にそりかえった格好になる。

 ぼくが両手両足を床につけ、「このまま後ろに下がっていき、足を壁にくっつけるだけだよ」と教える。

 するとここで衝撃的な事実が判明。

 なんと長女は両手両足歩きができないのだ。


 え? なぜ?

 走ったり鉄棒をしたり縄跳びをしたり踊ったりは人並み以上にできるから、そんなに運動神経が悪いわけではないとおもうのだが、なぜか「両手両足を床につけて歩く」動作だけができない。すぐにぺちゃんとつぶれてしまう。

 ぜんぜんむずかしい動作じゃない。四歳の次女はかんたんにできている。

 長女は体幹が異常に弱いらしい。


 ということで、

  側転ができない

   ↓

  なぜなら足が上がらないから

   ↓

  なぜなら地面を蹴る力が弱いから

   ↓

  なぜなら足を上げようとするとお尻が落ちてしまうから

   ↓

  なぜなら両手両足歩きができないから

   ↓

  なぜなら体幹が弱いから


 逆算をしていくことで原因らしきものは突き止められた。

 さあ、あとは体幹トレーニングをして両手両足歩きをできるようにして……。

 ……ううむ、先は長そうだ。



 しかし、お手本を見せるためにぼくがじっさいに何度も側転をやってみせて気づいたんだけど、これ、ジャンプ力必要か?

 検索すると「カエルジャンプの練習をしましょう」とか「手をついて横に跳んでみましょう」とか言われるんだけど、ぼくが側転をするときはほとんどジャンプなんかしていない。

 じゃあどうやって回っているかというと、重心移動だ。

 両手を挙げて、勢いよく左に動かす。右足をおもいっきり上げる。すると、重心が左に移動する。その勢いで勝手に左足が持ち上がる。あとは慣性で勝手に回る。そんな感じだ。

 今まで意識したことなかったけど、改めて自分の身体がどうなっているか考えてみると、ほとんどジャンプをしていない。わずかに地面を蹴っているけど、それよりも重心移動の力で回っている。

 側転にジャンプ力って必要なのかな? 慣れてきたらジャンプ力なしでも回れるけど最初は必要なのかな?



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