浜口 桂一郎
2018年刊行。積読をしているとままあることだが、なんで買ったのか自分でもわからない本。
読んでみて、その謎がさらに深まった。なんで買ったんだろう……。
ぼくははるか昔の学生時代、労働法研究のゼミに所属していたのだが、そのときに読んだ本のことを思い出した。めちゃくちゃ固い本だった。なんで研究者でも労務担当者でもないのに買ったんだろう……。
派遣業について。「登録型派遣事業」というのはいわゆる一般的な派遣事業で、働いた月だけ派遣元企業から賃金が出て、働かなかったとき(仕事がないとき)は賃金が出ないというスタイルだ。
この派遣業、やたらと目の敵にする人がいる。諸悪の根源は派遣業だとでも言わんばかりに。人身売買とまで言い出す輩もいる。
そうなのよね。悪い派遣業者がいるのは事実だが、派遣業自体は何ら悪くない。派遣で働きたい人と、派遣社員を雇いたい企業がいるのだから、派遣のような有期雇用契約が生まれるのは当然のことだ。
世の中には、繁忙期と閑散期がある仕事がある。たとえば農業従事者が農閑期である冬場だけ有期で働きたいと考えるのは当然だ。建設業なんて、大きな仕事を受注すればその間は人手が必要だが、案件のないときに社員を大勢抱えていたら会社がつぶれてしまう。
世の中にいろんな仕事があることを知れば、調整弁となる派遣社員が必要不可欠だとわかるとおもうんだけど。2008年頃の「派遣切り」のイメージが強すぎて、派遣と聞いただけで脊髄反射で拒否反応を示してしまう人がけっこういるんだよね。
今はすっかりなりをひそめたけど、2000年前後の頃って「終身雇用制・年功序列制をとっているから日本の企業はだめなんだ」という言説をよく聞いた(そういうやつはどうせ日本経済の調子が良かったときは「日本型雇用システムがあるから日本経済は強いんだ」とか言ってたんだろうな)。
これは雇用システムに限った話ではなく、何かあると極端なことを言い出すやつがいる。どっかの学校でいじめ自殺が起こったら「制度が悪い。制度を変えよう!」とか言い出すアホが。
そりゃあどんなシステムにだって悪いところはある。だけど長く使っている制度にはいい点もたくさんあるし、アホなえらい人の思い付きで変更したときに良くなるという保証はどこにもない。ちゃんとあらかじめ指標を決めて変更前後の影響を計測して改革がうまくいったかどうかを検証して、定められた期間に目標達成しなければ政策の過ちを認めて引き返す……ということをすればいいのだが、アホなえらい人がそんなことをするはずがないけどね(過ちを認められるまともな人は思いつきでころころ制度を変えない)。
その他の読書感想文は
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