2017年4月28日金曜日

公園で缶チューハイを飲むおじさんだけが怖いのはなぜなのか

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大阪市内に 引っ越してきて5年。
昼間から公園でお酒を飲んでいる人も見慣れてきた。

子どものころは郊外の住宅街で育ったこともあって、昼間からお酒を飲んでいる人はほとんど見なかった。

せいぜいお花見のシーズンぐらい。

田舎は車社会だからってのもあるけど。


今ぼくが住んでいるエリアでは、公園のベンチでお酒をちびちびやっているおじさんはめずらしくない。

朝から缶ビール片手にふらふら歩いている人もよく目にする。

公園でお酒を飲む人
大阪ではよくある光景(嘘)


見慣れてくると、べつになんとも思わない。

小さい子どもがいることもあって、はじめのうちはちょっと怖いと思っていたけど、そういうおじさんはいたって無害な存在だ。

静かにベンチに座って、何をするでもなくちびりちびりと飲んでいる。

することといえば、たまに鳩に食べ物をやるぐらい。

ほんとは鳩に餌をやるのはよくないことなんだけど、それぐらいの楽しみには目をつぶってあげたい。



ビール(発泡酒等含む)を飲んでいるおじさんは比較的身なりがきれいだ。

日本酒や焼酎を飲んでいるおじさんはよく日焼けをしている。

お酒を飲みながらお菓子やパンを食べているおじさんはわりといるが、おにぎりやお弁当を食べながら飲んでいるおじさんはなぜか少ない。



よくわからないんだけど チューハイを飲んでいるおじさんが怖い。

見ちゃいけない気がする。

目を合わせたら良くないことが起こりそうな気がする。

なぜだろう、ビールや日本酒のおじさんには怖さを感じないのに。

チューハイを飲むおじさんだけ、怖い。



なんでだろう。

通勤電車に揺られながらゆっくり考えてみた(こういうことを考えていると満員電車もつらくない)。


1. チューハイは、お酒を好きな人はまず飲まない。

「お酒好きで、毎晩のように吞んでます!」という人は、たいていビールや日本酒やハイボールや焼酎なんかを飲む。

「甘いお酒が好き」という人は、梅酒やワインやカクテルを飲む。

お酒好きでチューハイが好き、という人に出会ったことがない。


2. チューハイは、お酒が苦手だけど酔いたいときにちょうどいい。

ぼくの感覚では、チューハイを飲む人=お酒が苦手な人 だ。

お酒は好きじゃない。ビールは苦いしワインは後に残るしカクテルは高い。

でもお酒の席は好きだから酔いたい。あるいは、雰囲気的にソフトドリンクは頼みづらい。

そんなときにちょうどいいのがチューハイ。甘いし、安いし、あんまり残らないし。

ぼくも大学生のときは飲んでたけど、お酒に慣れてきたらいつのまにか飲まなくなったなあ。


3. チューハイを飲んでいるおじさんは、ほんとは飲みたくない

ということは、公園でチューハイを飲んでいるおじさんは、ほんとはお酒を飲みたくないんだと思う。

お酒が好きならビールや日本酒を飲めばいいし、甘いものが好きならジュースのほうがずっと安い。

それなのにチューハイを飲んでいる。


酒なんか好きじゃない。できることなら飲みたくない。

だけど、飲まずにはいられない。酔わずにはいられない。

何がおじさんを缶チューハイへと駆り立てたのか。彼の心中を察することはできないが、あれはまちがいなく「我慢の酒」だと思う。



我慢している人はこわい。

いつか爆発しそうな気がする。

お酒が好きな人ならお酒で発散できるかもしれない。

でも酒を好きでない人が酒を飲んでもストレスが溜まるだけだ。

公園で缶チューハイを飲んでいるおじさんに言ってあげたい。

「無理しなくていいんですよ」と。

「カルピスとかヤクルトとか飲んだほうが幸せになれますよ」と。


そしたらおじさんはどんな顔をするだろう。

案外「うるせえ、おれはこの世の飲み物のなかでチューハイがいちばん好きなんだよ」と言われるかもしれない。


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