2016年1月9日土曜日

【エッセイ】宝くじ信者

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宝くじを買う人はえらいと思う。
ぼくなんかできることなら1円だって税金を払いたくないと思っているのに、宝くじ購入者の方々はわざわざ自分の財産を公共の福祉のために投じているんだからね。

宝くじは逆累進課税方式の税金だといわれている。
所得が多いものほど税率が上がるのが累進課税方式だが、宝くじはその逆で、所得や貯金額が低いものほど一発逆転を狙って宝くじに金銭を投じる。もちろんそのほとんどは当たらずに公園やバリアフリー設備に使われたりする。そのため、逆累進課税方式の税金と呼ばれるわけだ。

誰もが知っているが、宝くじは当たらない。
それなのに買うなんて、よっぽどのばかだ。
あ、まちがえた。すごくえらい。
公共の福祉のために資材を投じる方々のことをばか呼ばわりするのはよくないからね。


こうやって宝くじを買う人のことをこばかにしていると、宝くじ信者は決まってこう言う。
「当たらないことなんかおれだってわかってるよ。でもいいんだよ。おれは夢を買ってるんだよ、夢を」

なるほどね。
その気持ち、わからなくもないよ。
1億円当たったらどうしよう、っていろいろ空想するのは楽しい。その楽しみのためと思えば、宝くじは決して高い買い物じゃない。

でもさ。
1枚でよくない……?

夢を買うんでしょ。
だったら1枚でいいじゃん。

宝くじ信者っていっぱい買うよね。
なんで何十枚も買ってんの?
100枚買ったら1枚買ったときの100倍夢を見られんの?
たしかに100枚買えば1枚のときと比べて当たる確率は数十倍になる(ここで100倍じゃないの?と思うやつは確率のことをまったくわかってないから高校の勉強やりなおしてこい。そしたら宝くじ買おうと思わなくなるから)。
でもそれって、サハラ砂漠のどこかにある砂粒を探す作業が、鳥取砂丘のどこかにある砂粒を探す作業に変わるだけだよね。
見つかんねえって!

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