2016年1月11日月曜日

【エッセイ】墓地散歩のすすめ その2

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ぼくの行きつけの墓地はかなり古い墓地なので、最近の墓に混ざって、明治や大正時代の墓も並んでいる。
明治時代に墓ができたわけだから、その子どもどころか孫ですらもうこの世にいない可能性大だ。
墓石が削れたり傾いたりしているが、だからといって勝手に修復したり撤去したりできないのが墓管理の難しいところだ。
今にも隣の墓にもたれかかりそうな絶妙なバランスで、古い墓はたたずんでいる。

古い墓を見るのはおもしろい。
「俗名 桃太郎」なんて墓があったりする。


最近の親は子どもにひどい名前をつけるなんて云われているが、墓石に刻まれた名前を見ているかぎり、明治時代のほうがよっぽどひどい。
ステとかサルとかイシとかの明治の適当なネーミングに比べれば、“てぃあらちゃん”のセンスのほうがよっぽどマシに思えてくる。

昔の墓といえば、男尊女卑が墓にも露骨に表れている。
「○○家之墓」という立派な墓があって、その隣に「○○家之妻之墓」がある。女はべつの墓なのだ。
その墓もほんとに質素で、砂浜でやる棒倒し遊びぐらいの墓でしかない。
かわいそうになってくるが、よく考えるとこういう墓を作ろうと考える夫と同じ墓に入るよりかは、簡素でもべつの墓のほうが死後気楽かもしれない。

古い墓を見ているといろんな発見がある。
ワインと墓は古いほうがいい。

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