2016年1月22日金曜日

【エッセイ】エジプトで見て見ぬふり

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世界各地にチャイナタウンがあったり、地方から出てきた人たちが集う県人会があったり、たいていの人は同郷の人間に対して親近感を覚えるものだ。
だが、世の中にはそういった間隔とは無縁の人もいる。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ぼくの同僚Sさん。
秋田県能代市から出てきて、大阪で働いている。
その人の部署に入社してきた新入社員が、自己紹介で「秋田県能代市出身です!」と語った。
大阪で東北出身者に出会うだけでもめずらしいのに、市まで同じ。すごい偶然だ。

にもかかわらず。
Sさんは、くだんの新入社員に対して、自分が能代市出身だと明かしていないらしいのだ。何度か話しているのに。
「すごいことじゃないですか。なんで言わないんですか」
と訊いても、
「べつにわざわざ話すようなことじゃないでしょ」
と、にべもない。

わざわざ話すことだろうよ!

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

また、高校の同級生Gさん。
Gさんはエジプト人男性と結婚していて、エジプトに住んでいる。
こないだ久しぶりに帰国していたGさんがこんなことを云っていた。
「そういやこないだエジプトのカイロ空港で、Tくんとすれちがったよ。ほら、高3のときに同じクラスだった」
 「えー! すごい偶然だね! さぞかしTくんもびっくりしてたでしょ?」
「いや、向こうはわたしに気づいてなかったと思う。声かけなかったし」
 「えっ。なんで!?」
「そんなに仲良かったわけじゃないし……」

信じられない。エジプトで知り合いにばったり会ったとき、声をかけずにいられるだろうか。
仲がいいとか関係ない。なんなら、エジプトで日本人に会ったら、たとえ知り合いじゃなくても日本人だというだけで話しかけてしまうかもしれない。

さらに驚くべきは、Gさんは大学でエジプト史を専攻していたという事実だ。
エジプトの歴史研究してるのに自分の歴史に興味なさすぎ!

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