2015年4月18日土曜日

布団屋というビジネス

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 近くのさびれた商店街に布団屋があるんだけど、ほんとにいつもひまそうだ。

 数多ある職業の中でもっともひまなんじゃないかと思う。
 同じ商店街には、オバハン養成所としか思えない洋品店とか、形や色がちょっときれいなだけの石を売っている石ころ屋とか、サッカーのユニフォーム専門店とか、流行ってない店がいっぱいあるんだけど、それでもたまに客の姿は確認される(売れてるかは不明だが)。
 しかし、布団屋には冷やかし客も来ないだろう。

「ひまだし買うつもりないけどちょっと布団でも見ていくか」

「よっ大将、新しい布団入った?」

みたいな軽い気持ちで人は布団屋に入らない。
 今日布団を買うと決意したとき、それ以外に布団屋に足を踏み入れることは決してない。
 めったに客は来ない(1日に1人来たら多いほうだと思う)が、来た客は必ず買っていく。それが布団屋なのだ。布団屋のことはなにも知らないが断言しよう。


 それにしても布団っていったいいつ売れるのだろう。
 布団屋の繁忙期について考えてみよう。

 まず3月4月はよく売れそうだ。
 新生活スタートにあたって布団を買う人は多いだろう。

 5月6月は、そろそろ暑くて寝苦しくなってくるから薄手の布団に変える人も多いんじゃなかろうか。

 梅雨時は布団が湿気で傷みやすいから、梅雨の明けた7月には敷き布団がよく売れそうだ。

 8月はお盆がある。息子夫婦や孫が里帰りしてくるから客布団を用意しとかなくちゃ、という老夫婦のニーズが多いにちがいない。

 9月10月11月は日に日に寒くなってゆくから、厚手の布団や毛布がよく売れる。

 12月にはこたつ布団が恋しくなるし、年末年始も忙しい。お盆と同様に里帰りがあるし、大掃除のついでに布団を買い換えたり、新しい布団で新しい1年をスタートさせる、なんて人もいるだろう。

 あれ……?
 3月から1月まで、ずっと布団屋は繁忙期だ。
 実は布団って、1年を通してよく売れる商材なのでは……?

 しかし問題は2月だ。
 もう寒さのピークは越えつつあるから今さら布団を買いたすことはないし、春用の布団にするにはまだ寒い。
 2月は布団屋にとって唯一の閑散期だ。
 なにか布団を売るためのイベントをぼくが企画しなければ!

 ……そうだ!
 2月10日を『ふ(2)とん(10)の日』として、布団を買い換える日とアピールすれば万事解決じゃないか!
もしくは、バレンタインデーの前に好きな相手に布団を贈って「この布団で一夜を共にしましょう」と大胆に誘う日にしたっていい。
なんたる名案!

 と思って調べてみたところ、実際に2月10日が『ふとんの日』だったのだが、日本寝具寝装品協会がなぜか2010年より10月10日に変更しているのだ。
(参考リンク   http://www.jba210.jp/210.html )

 なにをやっとるか日本寝具寝装品協会!
 なんたる機会損失!
 即座に2月10日に戻すべきだ。
 ぼくは日本寝具寝装品協会に対し、強く抗議する!
 完全なる部外者として、強く抗議する!
 2月でも10月でもどっちみち布団を買い換えないけど、強く抗議する! このエントリーをはてなブックマークに追加

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